米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、米経済が現在、力強い成長に向けた軌道にあるものの、「外部」の要因によって、少なくとも3%というトランプ政権の成長率目標の達成が妨げられる可能性があるとの見方を示した。

ハセット氏は28日、ニューヨーク・エコノミック・クラブで講演し、米国の生産性と賃金の上昇を踏まえれば、経済成長率は「3%ではなく4%程度で順調に推移するはずだ」と発言。「外部からの混乱がなければ、これが基本シナリオ」だとした。

ハセット氏はGDP成長率が4%程度になると予想。最大の押し上げ要因として、生産性の急上昇を挙げた。

ベッセント財務長官ら政権高官は、トランプ大統領の現在の任期中、国内総生産(GDP)成長率を持続的に3%とすることを目標に掲げている。一方、民間エコノミストは2%に近い成長率を予想している。

AIへの投資ブームはここ数四半期のGDP成長を支えてきたが、エコノミストは労働力人口の伸びの鈍化を大きな逆風として指摘している。住宅市場など一部の分野も引き続き低迷。一方で高水準のインフレにもかかわらず個人消費は底堅さを示している。

財政見通しについてハセット氏は、詳細には触れなかったものの、何らかの問題によって、ベッセント氏が掲げるGDP比3%の財政赤字目標の達成が阻まれる可能性も示唆した。

トランプ氏の任期終了までに財政赤字が3%に向かっているかと問われた際には、当事者の制御が及ばない異例の事態により契約上の義務を履行できなくなった場合に使われる「不可抗力」という言葉を引用。「基本的には、『不可抗力』に当たる事態が生じるかどうかに左右される」と述べた。

国債利回り

最近の米財政赤字拡大の要因の一つが、米国債利回りの上昇に伴う債務の利払い費増加だ。最近の国債利回り上昇について問われたハセット氏は、投資環境が以前より魅力的になっていることが、ある程度反映されているとの見方を示した。借り入れコストが上昇しても、データセンターなどの事業が採算を確保できれば、企業は建設資金の借り入れを続け、金利押し上げにつながるという。

ハセット氏は「米30年国債市場が示しているのは、資本の実質リターンが以前より高くなっているということだ」と話した。

ハセット氏はまた、連邦政府の公的債務総額を示す指標の一つが8月に40兆ドル(約6300兆円)を突破したことについて、重大視しない姿勢を示した。債務負担をより限定的に捉える考え方を挙げ、「われわれの債務の多くは、われわれ自身に対して負っている債務だ」と指摘。「対外」債務は約15兆ドルだとしたが、算出方法は明らかにしなかった。

原題:Hassett Signals ‘Outside’ Factors May Hit Deficit, GDP Goals (1)(抜粋)

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