米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、フィラデルフィア中心部にあるオフィスタワー2棟を裏付けとする商業不動産担保証券(CMBS)で深刻な損失に直面している。

規制当局への届け出文書によると、問題となっているのはフィラデルフィアのマーケット通り1500番地の「センター・スクエア」を裏付け資産とする3億6800万ドル(約580億円)相当のCMBSで、ピムコが最大の保有者。センター・スクエアは43階建てと36階建ての高層ビルから成り、同市の名所の一つである市庁舎にも近い。

センター・スクエアは2019年に4億7100万ドルの評価額が付いていたが、裁判所は8月、7000万ドルでの売却を承認した。これにより今後数週間で取引が完了し、売却代金が債権者に分配される道が開かれた。

だが、資産価値は85%下落したことになり、かつてはAAAの格付けを保有していたCMBSの最も安全な部分でさえ、大幅な損失を被る。

立替金や手数料、その他の請求分を考慮すると、最も安全な部分で額面1ドル当たり約44セントの回収をウォール街のストラテジストは見込む。だが、それよりも優先順位が低い7つの部分の保有者は、投資額を全額失う見通しだ。

ピムコはこのCMBSを額面で合計約5800万ドル保有し、およそ半分が最上位に格付けされる部分だ。報告上の保有額の変化と当時の価格水準から算出した購入価格に基づき、この回収率を当てはめると、ピムコの投資損失は3500万ドルを超える。

単一の不動産ローンを裏付けとする商業不動産債券、いわゆるシングルアセット・シングルボロワー(SASB)型の投資家が痛手を被る事例は、最近増えている。とりわけ比較的古いオフィス物件は需要低迷や資産価値の下落、借り換え期限の接近で苦境が続いており、さらに投資家が損失を被る事態となる可能性が高いと、アナリストらは警告している。

バンク・オブ・アメリカのCMBS戦略責任者で、独自の回収分析を行ったアラン・トッド氏は「シカゴやロサンゼルス中心部、ポートランド、デンバーなどでは、オフィス不動産の価値が回復していない」と指摘。「こうした事例は間違いなく今後も増える。向こう1~2年でさらに多くのローンが返済期限を迎えるが、借り手は事態に窮するだろう」と語った。

ピムコの担当者はコメントを控えた。

原題:Pimco Faces AAA Debt Loss After 85% Writedown of Office Complex(抜粋)

--取材協力:Jonathan Randles.

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