(ブルームバーグ):トランプ政権が米国産ディーゼル燃料の輸出を禁止することはないと、ホワイトハウスは確約した。共和党のクルーズ上院議員が25日遅く、石油精製業界の幹部に伝えた。
協議の非公開を理由に匿名を条件に語った複数の関係者が明らかにした。トランプ政権はディーゼル燃料価格の記録的な高騰を受け、価格を引き下げる方策を検討している。
トランプ大統領は今週、ディーゼル燃料の輸出禁止を検討するよう側近に指示したと明らかにしていた。小売価格が今週初めに初めて1ガロン当たり6.53ドルに達したことを受け、農業州の議員らが価格抑制に向けて輸出制限を求めていた。
ホワイトハウス当局者は、大統領が燃料価格の下落を望んでおり、あらゆる選択肢を検討していると説明した。クルーズ氏の広報担当者と、会議を主催した米燃料石油化学製造業者協会(AFPM)は、いずれもコメント要請に返答していない。
輸出禁止を見送るとの説明は、トランプ氏の主要側近の一部が数カ月にわたり示してきた見解と一致する。側近らは、ディーゼル燃料の輸出規制は最終的に弊害のほうが大きくなると繰り返し警告してきた。
ただ、トランプ氏は時に予測の難しい行動を取り、主要側近の全面的な賛同がないまま異例の政策を採用することもある。最終的な判断を下すのは大統領だ。
関係者によると、クルーズ議員はホワイトハウスから確約を得たと説明したが、大統領本人から得たとは述べていない。誰が輸出禁止を否定したのか、同議員は詳しくは明かさなかったという。
赤色ディーゼル
トランプ氏も政権当局者も、具体的な対応策を決定していない。短期間のディーゼル燃料輸出禁止が経済に与える影響の分析を続ける一方、価格抑制に向けた他の措置も検討している。浮上している案の一つが、通常は公道以外での使用に限られる赤色ディーゼルについて、利用制限を緩和することだ。
農業従事者などが公道以外で使うレッドディーゼルは非課税のため、利用制限の緩和は、1ガロン当たり約24セントの連邦税を含む一部のディーゼル燃料税を事実上停止することになる。この案が実現すれば、農業従事者やトラック運送業者などの燃料費負担が軽減される。
一部関係者によると、輸送用燃料などに一定割合のバイオ燃料の混合を義務付ける連邦規制である再生可能燃料基準(RFS)の対象からレッドディーゼルを除外するよう業界側は提案した。精製業者ごとのバイオ燃料混合義務量を算定する際、レッドディーゼルを対象となる生産量から除外し、農業従事者がRFSの適用を受けない燃料として購入できるようにする案だ。業界の一部試算では、1ガロン当たり30セントの値下げにつながる可能性がある。
ライト米エネルギー長官は今週、広範な輸出禁止は目指していないと強調。代わりにディーゼル燃料の供給を増やすため、業界に自主的な対応を促した。
ライト氏は23日、ヒートマップ主催のライブ配信の対談で、「米国産ディーゼル燃料の輸出を停止することはない。ただ、米製油所からのディーゼル燃料の供給に多少の調整が入る可能性はあると思う。価格上昇を食い止められるからだ」と述べた。さらに「ディーゼルの全面的な輸出禁止になるとは思わない」とも語った。
原題:White House Signals It Won’t Ban Diesel Exports, Senator Says(抜粋)
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