欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は22日のスイス紙ル・タンとのインタビューで、エネルギー価格の新たな上昇局面を受け、ユーロ圏のインフレ率は当初予想していたより長期間、高止まりするとの見通しを示した。

レーン氏はその中で、「現在、原油だけでなくガスでも第2波の価格上昇が見られる」と指摘。「この第2波のエネルギー価格上昇は一段と高く、一層持続的なインフレにつながると考えられ、その後、2027年半ば以降はわれわれの目標に向けて鈍化すると予想している」と語った。

ドイツ・ベルリンの生鮮果物露店の価格表示

レーン氏は「現在目の当たりにしている第2波のエネルギー価格上昇は食品価格や、電力を含む広い意味でのエネルギー価格、物品価格全般に上昇圧力を及ぼすだろう」と述べる一方、「サービス価格への圧力は抑制された状態が続くだろう」と話した。

イランでの戦争を受けてエネルギーコストが急騰して以降、2回目の利上げを今月実施したECBでは、当局者がすでに追加利上げに向けた地ならしを始めている。10月にも0.25ポイントの追加の引き上げに踏み切る可能性がある。

ユーロ圏のインフレ率は今後数カ月で約4%に上昇すると予想されている。ECBの最新予測では、今年の平均が3%、来年が2.5%と見込まれており、いずれも2%の目標を大幅に上回る。一方、経済は引き続き底堅さを示している。

レーン氏は「この秋、ショックが一段と強く長期化すれば、経済の重荷になるだろう」としつつも、「ショックがそれほど深刻でなければ、欧州の一部で実施されている大規模な公的支出など、幾つかのプラス要因が成長を支えるだろう」と指摘。特にドイツのインフラ・防衛投資プログラムや、欧州連合(EU)の復興基金(NextGenerationEU)に言及した。

レーン氏はまた、「AI関連の活動の中心は欧州にはないものの、この分野で事業を展開する企業は十分にあり、欧州経済も恩恵を受けることができる」とした上で、「われわれの基本シナリオでは、エネルギーショックが激化しない限り、欧州経済は安定的で、緩やかなペースで成長を続けるとみている」と説明した。

原題:ECB’s Lane Says New Energy Shock to Lead to Longer Inflation(抜粋)

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