(ブルームバーグ):米航空大手のユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスとアメリカン航空グループは、10-12月(第4四半期)に一段と減便を迫られる可能性があるとの見方を示した。サウスウエスト航空は運賃引き上げの余地があるとみる。燃料価格の高止まりを受け、航空業界では対応が続いている。
航空業界の幹部が16日、モルガン・スタンレーが開催したカンファレンスに集まった。アメリカンのロバート・アイソム最高経営責任者(CEO)は、「燃料価格が現在の高水準のままなら、今後の輸送能力計画を見直す中で、何らかの調整が必要になると思う」と述べた。
ユナイテッドのマイク・レスキネン最高財務責任者(CFO)は、燃料価格が高止まりした場合、「2027年1-3月(第1四半期)以降に向けて何らかの調整を行う」とし、「われわれが目指しているのは市場シェアの拡大ではなく、収益性とフリーキャッシュフローの最大化だ。従って必要な調整を行う」と話した。
サウスウエストのトム・ドクシーCFOは、イランでの戦争に伴う燃料高に航空業界が直面する中、運賃には「まだ引き上げ余地がある」と指摘。燃料価格が高止まりすれば、一段の減便もあり得るとの見方を示した。
アメリカンとユナイテッド、サウスウエストの株価はいずれも16日の通常取引を小幅安で終えた。年初来ではユナイテッドが約5%、アメリカンが17%、サウスウエストが5%それぞれ下落している。
アメリカンは、10-12月期の燃料費がさらに10億ドル(約1560億円)膨らむと見込む。一方、プレミアムサービスに焦点を合わせた戦略の効果も表れており、上位座席からの収入が増えている。アイソム氏によると、現時点で業績見通しについて「非常に良い感触」を維持している。
ユナイテッドは今年これまでに、7-9月(第3四半期)の調整後1株利益(EPS)を2.50-3.50ドルと予想。26年の燃料費は約60億ドル増加すると見込み、年末までにその影響を相殺する方針を示している。
ユナイテッドは、業界をリードするプレミアム戦略を持つデルタ航空と並び、コスト高の中でも柔軟に対応してきた。減便にも早い段階から積極的に動き、今年、4-6月(第2四半期)と7-9月期の定期便を5%減らすと発表。需要の弱い平日便や夜間便を対象とし、シカゴ・オヘア国際空港での運航も縮小した。
レスキネン氏は「10-12月期には、12月に運航予定だった一部の便を削減する」と説明した。
燃料高が利益圧迫
中東紛争に収束の兆しが見えない中、アナリストはエネルギー価格が高止まりすると予想している。トランプ米大統領は、対イラン戦争が終結するのは11月の中間選挙後との見方を示している。中東とウクライナでの戦争に伴う供給リスクを背景に、北海ブレント原油は年初来で約70%上昇し、ディーゼルなど石油製品の上昇率はさらに大きい。
燃料費の急増は航空会社の利益率を大きく圧迫している。米格安航空会社(LCC)のジェットブルー・エアウェイズは先週、便数見通しを引き下げた。前年比1.5-3.5%増を予想し、従来見通しの3-6%増から下方修正した。
大手航空会社の中で最も強い圧力を受けているのがアメリカンで、今年は既に2回、業績見通しを引き下げている。4月には、通期のEPS見通しをマイナス40セント-プラス1.10ドルのレンジとした。従来予想はプラス1.10-2.70ドルだった。イランでの戦争に伴い約40億ドルの追加燃料費を負担したことが響いた。
その後、7月には、通期見通しをさらにマイナス65セント-プラス65セントのレンジへと引き下げた。4-6月期だけで燃料費が前年同期比で22億ドル超(83%)増加したためだ。運賃引き上げによって相殺できたのは、この燃料高による負担分の約50%にとどまった。
同社のデヴォン・メイCFOはカンファレンスで、燃料価格が1セント上昇するごとに約1000万ドルの追加費用が発生すると説明。来月の決算発表時に10-12月期の見通しを示すと説明した。
「10-12月期に見込んでいる追加燃料費は10億ドルだ」とした上で、「幸い、10年以上で最も強固なバランスシートでこの局面を迎えており、負債も最も少ない水準にある。手元流動性も潤沢で、現在の財務基盤には非常に良い感触を持っている」と述べた。
原題:United, American Say Fuel Cost Surge May Mean Capacity Cuts (2)(抜粋)
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