(ブルームバーグ):核兵器保有国のインドとパキスタンは、海上で起きた両国の軍艦の衝突を巡って互いを非難した。それぞれ相手国の臨時代理大使を呼び出して「強く」抗議し、両国間の新たな火種となった。
長年対立してきた双方の説明によると、衝突は15日に発生した。
インドの軍艦がアラビア海北部の公海上で通常の監視任務に当たっていたところ、パキスタンの艦艇が高速で接近してきたという。非公開情報として匿名を条件に、インド政府の当局者が16日、文書で記者団に明らかにした。
パキスタン外務省は16日遅くに声明を出し、同国海軍が排他的経済水域(EEZ)で隔年の演習を実施していた際に、衝突が起きたと説明。インド海軍の行動について「極めて挑発的で容認できない」とした。
インド外務省は16日の声明で、今回の衝突について、「海上でのパキスタン海軍部隊による職業倫理に反する容認できない行為」だと非難。一方、「重大な損傷」はなかったとした。
パキスタンはインドの臨時代理大使に対し、「パキスタンはインドによるこの好戦的な行動を強く拒絶するとの立場をインド政府に伝える」よう求めたと説明。インドに対し、「国際法や、海上事故防止をはじめとする2国間協定を厳格に順守する」よう促した。
1947年の分離独立以来、4度にわたり戦争を繰り広げてきた両国は、昨年の武力衝突で再び紛争寸前に至って以降、緊張関係が続く。昨年の衝突は、インドが実効支配するカシミール地方で、インド人観光客ら26人が殺害された事件を機に発生。インド政府はテロ攻撃と断定し、パキスタンの関与を非難したが、パキスタン政府はこれを否定した。
今回の軍艦衝突により、アラビア海周辺の海域では、安全保障や航行の自由を巡る懸念が高まっている。
原題:Indian and Pakistani Warships Collide at Sea, Refueling Tensions(抜粋)
--取材協力:Swati Pandey.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.