債券トレーダーは米連邦準備制度理事会(FRB)が16日に利上げに踏み切ると織り込んでいる。その確信の強さは、過去数十年の実績に裏付けられている。

連邦公開市場委員会(FOMC)の会合日程に連動する金利スワップの動向によると、市場はウォーシュFRB議長ら当局者が政策金利を現行水準の3.5-3.75%から0.25ポイント引き上げる確率を約94%とみている。これは約23ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを織り込んでいることに相当する。

ブルームバーグがまとめた2008年以降のデータによれば、利上げ観測がこれほど高まった局面では、FRBは例外なく利上げを実施してきた。

ドイツ銀行のストラテジストはフェデラルファンド(FF)金利先物のデータを基に、FOMCが16日に利上げを見送れば、会合終了時に政策金利の決定を発表するようになった1994年以降、定例の政策会合では「最大のハト派サプライズ」になると分析した。

もっとも、今回の政策決定を巡る状況は異例だ。ウォーシュ氏をFRB議長に指名したトランプ米大統領は、パウエル前議長の在任中、FRBに対して繰り返し大幅な利下げを迫っていた。

投資会社Lunateの投資調査責任者シーザー・マースリー氏は「市場は金利据え置きやハト派的な利上げには備えていない」と述べた。

FRBはこれまで、特に利上げの際には市場の変動を引き起こすリスクがあるため、サプライズを与えることを避けてきた。しかし、ウォーシュ氏が5月に議長に就任し、政策変更をかなり前もって示唆するというFRBの長年の慣行を取りやめて以降、政策決定を巡る不確実性は高まっている。

それが顕著に表れたのが7月下旬だ。政策決定当日、トレーダーは利上げの確率を38%とみていたが、FRBは最終的に金利を据え置いた。7月のFOMC会合では、インフレ抑制に向けた方針についてウォーシュ氏が明確な姿勢を示さなかったことも、長期債の売りを招いた。ただ今回は、利上げへの確信度がはるかに高い。

9月の利上げ観測は、ウォーシュ氏が先月、FRBはインフレが「十分なスピード」で鈍化するよう確実にすると述べたことを受けて高まり始めた。

先週末までに、トレーダーは利上げをほぼ完全に織り込んだ。5年以上にわたりFRBの目標を上回っているインフレに鈍化の兆しがほとんどないことが、消費者物価指数(CPI)の統計で明らかになった。CPI発表後、ウォール街の大手金融機関が相次いで9月の政策見通しを金利据え置きから0.25ポイントの利上げに変更した。

16日の政策発表を控え、米10年債利回りは2007年以来の高水準に上昇した。原油価格の急騰がインフレ懸念をあおっており、世界的に債券が売られている。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)の為替ストラテジスト、アレックス・コーエン氏は「16日のFOMC会合は、ここしばらくで最も重要なものになる」と指摘。「利上げが約90%織り込まれている段階で金利を据え置くのは、ほぼ前例がない」と述べた。

原題:History Shows Fed Will Deliver Rate Hike Markets Locked In (1)(抜粋)

--取材協力:Greg Ritchie、Michael Ball.

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