(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、欧州はAI技術を米国から買うだけで済ませるわけにはいかないと警告した。少なくとも一部は自前で構築しなければ、脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれかねないと論じた。
ラガルド氏は14日、「新しい技術を自ら生産せず、輸入すること自体に問題はない」と発言。ただ、AIには「特別」な事情があると話した。
ラガルド氏はデータ保護に加え、AIを安定して使い続けられるかどうかも重要だと指摘。AIが広く普及した後に、サービスの提供が打ち切られたり、利用条件が変更されたりすれば、「あらゆる分野が一斉に」影響を受けるためだ。
「そうなれば相手国は欧州に対し、これまでにない強力な交渉カードを手にすることになる」とラガルド氏は述べた。「例えば関税やデジタル課税など、あらゆる交渉でそのカードを使われかねない」という。

ラガルド氏らECB当局者は、経済面のリスクだけでなく主権を巡る懸念からも、欧州はAI分野で大きく後れを取ってはならないと訴えてきた。今回の発言も、そうした訴えを改めて強めるものだ。ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は先週、AIは欧州が一体となって潜在力を引き出せるかどうかを測る「試金石」になると述べた。
これに先立ち14日、欧州の有力な経済学者や政治家、AI専門家らで作るグループも、今年中に思い切った対応を取らなければ、欧州は一握りの外国政府や個人への依存から抜け出せなくなる恐れがあると警告した。
ラガルド氏は、欧州はAIに必要な演算能力をさらに高める必要があると強調。「企業は、自社のデータの行き先を心配することなく、AIが本当に役立つかどうかで導入を判断すべきだ」と語った。
原題:Europe Can’t Simply Import AI Technologies From US, Lagarde Says(抜粋)
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