(ブルームバーグ):今年、米10年債利回りが5%に達すると予想していたベテランが、新たに一段の金利上昇を見込んでいる。
スタンダード銀行のG10戦略責任者、スティーブン・バロー氏は、年末までの10年債利回りの予想を5.2%へ引き上げ、2027年1-3月期には5.3%に達するとみている。10年債利回りは14日、一時5.01%まで上昇した。2023年10月に一時的に5%を上回った日を除けば、5%突破は2007年以来となる。
バロー氏が2月に示した5%予想は、当時としては極めて逆張り的な見方だった。米連邦準備制度理事会(FRB)による一連の利下げが見込まれる中、10年債利回りは4%を下回っていた。その後、米国とイランの紛争を受けてエネルギー価格が歴史的な急騰を演じ、市場は現在、16日から利上げサイクルが始まることを織り込んでいる。
バロー氏は「構造的には、金利がより高い状態が長期化する局面にあるとみている」と指摘。「利回りが5%を超えるとの確信を強めているのは、インフレ指標が予想を大幅に上回っているわけではないにもかかわらず、利回りが5%近くまで上昇したことだ」と述べた。

トランプ政権が2月下旬にイランへの攻撃を開始し、中東産の石油・ガス供給が混乱して以降、債券利回りは世界的に上昇している。米国では、AIブームも一因となっている。AI関連投資は市場への債券供給を急増させると同時に、景気を刺激している。
バロー氏は過去にも、2021年の米国債に対する弱気予想など、先見性のある予測を示してきた。近年は米ドルや英ポンドの見通しも的中させた一方、円安が長期化した局面では予想を外している。
10年債利回りが5%に至るまでの道筋は、バロー氏が今年想定していた通りにはならなかった。それでも同氏は、世界的なサプライチェーンの逼迫(ひっぱく)や気候変動の継続的な影響、移民政策の厳格化による労働供給の制約など、金利を押し上げる長期的な要因はこれまで以上に強まっていると指摘した。
重要な変数の1つは、トランプ米大統領から利下げを求める圧力を受けてきたFRBが、ウォーシュ議長の下でどう対応するかだ。バロー氏は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合と12月会合でそれぞれ利上げを予想。その後は2027年末まで短期金利が据え置かれるとみている。FOMCの9月会合は15-16日に予定されている。
バロー氏は電話インタビューで「FRBが行動を起こさなければ、より深刻な問題に陥り始める」と指摘。中東で紛争が続いていることを踏まえ、「私には依然として、あらゆる兆候がインフレ上昇を示している」と述べた。
原題:Strategist Who Foresaw 10-Year at 5% Says Selloff Isn’t Over Yet(抜粋)
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