半導体フラッシュメモリー大手のキオクシアホールディングスが計画している米国預託証券(ADR)の上場を巡り、少なくとも100億ドル(1兆5440億円)規模の資金調達を検討していることが事情に詳しい複数の関係者への取材で分かった。

キオクシアのロゴ

非公開情報のため、匿名を条件に明かした関係者らによると、キオクシアHDはバンク・オブ・アメリカ(BofA)やゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースなどの投資銀行とADRの上場に向け協議中。資金調達は行うが、既に8000億円の自社株買いを8月に実施しており、主に米国市場での流動性の獲得を念頭に置いているとも同関係者らは語った。

また、同関係者らは大規模なADRの発行で米国の主要な半導体株指数への組み入れも視野に入れていると話した。検討は初期段階にあり、ADRの上場規模や主幹事などの詳細は今後変更される可能性もある。

キオクシアHDの広報担当者とゴールドマンの担当者は事実関係についてコメントを控えるとしている。BofAとJPモルガンは現時点でコメントの要請には応じていない。

世界的なAI開発ブームで国内外の株式市場では今年前半にかけ主要な半導体、AI関連企業の株価が好業績期待から大幅に上昇したため、投資家の強い買い需要を捉えた資金調達の動きが活発化している。韓国の半導体メモリー大手、SKハイニックスは7月に米ナスダック市場にADRを上場し、外国企業の新規株式公開(IPO)としては過去最大の265億ドルを調達した。

キオクシアHDは6月の定時株主総会で、ADRの上場は2027年4-6月ごろを想定していると明らかにし、5月にADRの上場準備を発表した際には投資家層の拡大や企業価値の向上を目指すと述べていた。

一方、世界の半導体、AI関連企業の株価は6月を高値に調整が続いており、足元ではAI開発のスピードが今後減速する可能性も浮上している。米アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は12日、AIが人類に深刻なリスクを及ぼすとの懸念を示し、AI業界は新たなモデルの開発ペースを落とす必要があると語った。

--取材協力:清原真里.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.