(ブルームバーグ):トランプ米大統領は13日、ウクライナのゼレンスキー大統領に対し、ロシアの石油精製施設への攻撃をやめるよう警告したと明らかにした。攻撃でディーゼルの精製が止まり、価格が過去最高水準に押し上げられている。
トランプ氏はアイルランドのドンベッグに所有するゴルフ場で開かれた「アムジェン・アイリッシュ・オープン」の会場で、「ゼレンスキー氏がすべきことは一つだ。ロシアのディーゼルを狙うのをやめなければならない」と語った。「ほかの標的を攻撃するのは構わない。だがディーゼルはだめだ。ディーゼル不足を引き起こしているからだ」と述べた。
ロシアとウクライナは戦争が続くなか、互いのエネルギー施設への攻撃を強めている。ウクライナ軍は夜間、ロシア南部とタタルスタン共和国の製油所を攻撃したと発表した。これに先立ち、ロシアのサラトフ製油所への攻撃も報じられていた。
製油所の被害を受け、ロシア政府はすでにディーゼル輸出を禁止している。ディーゼルは経済活動に欠かせない燃料で、供給不足による価格高騰は世界に波及している。
ディーゼルの全米平均価格は先週、史上初めて1ガロン=6ドルを超えた。イランでの戦争に加え、ロシアとウクライナの戦争による供給不足が価格を押し上げた。
経済への影響は大きい。米国では主に無鉛ガソリンの価格に目が向きがちだが、その価格も1月につけた2.795ドルの安値から54%上昇している。ディーゼルは長距離トラックや貨物列車、農業機械に欠かせない燃料だ。
トランプ氏にとって、燃料高は上下両院の多数派を決める11月の中間選挙を前に大きな政治的リスクとなっている。燃料価格の上昇はすでに事業者の収入を減らし、商品価格への転嫁を迫っている。エネルギー高によるインフレが波及し、生活費への懸念をさらに強めている。こうした懸念は選挙戦で、共和党にすでに逆風となっている。
トランプ氏は13日、燃料高への世界的な懸念を強調し、ロシアの製油所を攻撃しないようゼレンスキー氏に警告したと説明した。「ゼレンスキー氏とはこの件について話した。ほかに標的はいくらでもある」と語った。
トランプ氏の警告にウクライナ政府がどう対応するかは分かっていない。トランプ氏が言及したゼレンスキー氏との協議がいつ行われたのかも明らかになっていない。
トランプ政権はすでにウクライナに対し、この地域のほかのエネルギー関連インフラへの攻撃を控えるよう警告している。特にカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)の施設や、黒海を航行するロシア船籍以外の船舶への攻撃を問題視している。
原題:Trump Demands Ukraine Halt Refinery Strikes as Diesel Surges(抜粋)
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