(ブルームバーグ):原油価格がアジア時間14日午前の取引で上昇。攻撃を受け、サウジアラビアが主要な原油パイプラインを停止した。米国とイランの戦争中にホルムズ海峡を迂回(うかい)するルートとして利用されてきた輸送経路が寸断され、世界的なエネルギー供給逼迫(ひっぱく)が一段と深刻化した。
サウジアラビアのエネルギー省は11日、ホルムズ海峡に代わる原油輸出の主要ルートとなっている東西パイプラインについて、10日に複数の攻撃があったため、予防措置として操業を停止したと発表した。
また、ホルムズ海峡を通る暫定航路の創設を巡り、イランと複数の湾岸諸国が14日に予定していた会合が延期された。オマーンのブサイディ外相が13日、X(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
バーレーンは、親イラン勢力による最近の湾岸地域への攻撃を理由に、参加しない方針を示していた。ニュースサイトのアクシオスは、サウジもこの計画に難色を示していたと報じた。
市場は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が支配地域を拡大していることによる地域への影響も見極めようとしている。フーシ派がバベルマンデブ海峡周辺の支配を強めれば、ホルムズ海峡に次ぐエネルギー輸送の要衝を通る船舶を妨害できる能力が拡大する可能性がある。
原油価格は年初来で76%上昇している。米国とイランの紛争が地域全体に拡大し、輸出が抑制され、海運市場が混乱に陥ったためだ。米国とイランがホルムズ海峡の支配を巡って争う中、東西パイプラインは輸出を維持するための重要ルートとなっていた。
長期化する危機は世界経済にインフレ圧力をもたらし、原油や天然ガスに加え、ガソリンやディーゼルなど石油製品の価格を押し上げている。先週発表された米国の経済指標では8月の物価上昇が加速し、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切る可能性が高まった。
イラクも、サウジの重要なパイプラインへの攻撃による影響の抑制に動いている。同パイプラインは日量約700万バレルの輸送能力を持ち、サウジ国内を横断して紅海沿岸の港まで原油を運ぶ。攻撃はイラク国内から実施されたことが判明している。
米国では、ベッセント財務長官が先週、イランに降伏を迫る取り組みの一環として、大手銀行に対する制裁を14日に発表すると明らかにした。同時に米海軍は、イランのエネルギー輸出を締め上げるため、同国の港湾を封鎖している。
原題:Oil Gains as Shutdown of Saudi Pipeline Deepens Energy Crisis(抜粋)
(第2段落以降に背景情報などを追加して更新します)
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