(ブルームバーグ):2001年9月の米同時多発テロから25年となった11日、遺族が世界貿易センター跡地を訪れ、犠牲者一人ひとりの名前を読み上げた。米国を大きく変えた悲劇から四半世紀という節目を迎えた。
ニューヨーク市マンハッタン南部では、追悼に訪れた人々や生存者らが崩壊したツインタワーの跡地に造られた二つの追悼の池を囲み、厳粛な式典が行われた。バンス米副大統領、ニューヨーク市のマムダニ市長、ジュリアーニ、ブルームバーグ両元市長が追悼式典に参加した。存命の歴代米大統領も全員出席し、ジョー・バイデン、バラク・オバマ、ジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントン各氏が参列した。

例年通り、遺族が01年の同時多発テロと1993年2月26日の世界貿易センター爆破事件で犠牲となった計2983人の名前を読み上げた。午前8時46分からは、二つのタワーにそれぞれ旅客機が衝突した時刻、両タワーがそれぞれ崩壊した時刻、国防総省が攻撃された時刻、ユナイテッド航空93便がペンシルベニア州に墜落した時刻に合わせ、計6回の黙とうが行われた。
その17分間の出来事は、一つの時代と国家のあり方を決定づけた。あれから25年がたった今、米国民の3割近くにのぼる約1億人は、当時を記憶するには幼すぎる世代となっている。

トランプ米大統領は11日午前、バージニア州アーリントンの国防総省で開かれた式典に出席し、演説した。同省ではハイジャックされた旅客機が建物に突入し、184人が死亡した。
マンハッタン南部の式典では今年初めて、9.11テロによる犠牲が今なお増え続けている現実にも焦点が当てられた。犠牲者の名前を読み上げた後、テロの影響による病気や負傷で、何年もたってから亡くなった人々を追悼するため、7回目の黙とうを行った。ツインタワーが崩壊した朝を記憶する米国人が減っていく一方で、その影響は今なお続いているという事実を改めて認識するものだ。
その現実をどこよりも重く受け止めているのが、ニューヨーク市消防局(FDNY)だ。タワーの崩壊で隊員343人が死亡した。その後の25年間、マンハッタン南部を覆った有害な粉じんやがれきに関連するがんや肺疾患などで、さらに453人が亡くなっている。
リリアン・ボンシニョーレ消防局長は、同時多発テロ当時32歳で、クイーンズ地区にある救急医療サービス(EMS)の訓練施設で教官を務めていた。連絡を受け、現場に向かった。現在、ボンシニョーレ氏が率いる消防局には1万7000人の職員がいるが、あの日任務に当たっていた者はおよそ700人にすぎない。
あの日、現場に出動した消防士は年々減っており、タワー崩壊時には子どもだった消防士が今、彼らと肩を並べて働いている。新たに採用された隊員は、会ったことのない人々の物語や、見たことのないニューヨークの街並みを語り継いでいく。「一人ひとりが自分自身のこととして受け止める。だからこそ、あの日の記憶をつないでこられた」とボンシニョーレ氏は話した。
原題:9/11 Observed With Somber Remembrance on 25th Anniversary (2)(抜粋)
--取材協力:Melos Ambaye、Myles Miller.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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