(ブルームバーグ):米銀JPモルガン・チェースは、時価総額が1兆ドル(約154兆円)を超える初の銀行となる見通しだ。それでも株価は際立って割安な水準にあると、最大のライバル、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストはみている。
BofAセキュリティーズのアナリスト、エブラヒム・プーナワラ氏は9日のリポートで、「JPモルガン株が時価総額1兆ドル企業の仲間入りに近づく中、同業他社に対するバリュエーション・プレミアムがさらに拡大する可能性を投資家は過小評価している」と指摘した。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)率いるJPモルガンに新たな投資家が引き寄せられ、「希少性プレミアム」が生じる可能性が高いという。
プーナワラ氏によると、現在時価総額が1兆ドルを超えるS&P500種株価指数の構成銘柄11社は、エヌビディアやグーグル親会社アルファベット、アップルなどを含め、いずれも株価収益率(PER)がJPモルガンを大きく上回る。JPモルガンは「テクノロジー企業以外で唯一、PERが10倍台半ばで取引される時価総額1兆ドル企業となる」ことで恩恵を受ける可能性があるとした。
同氏はJPモルガンについて、「担当銘柄の中で最も投資妙味がある銘柄の一つ」と評価している。焦点は、投資家が今後も同社を「市場全体に対して大幅なディスカウント」で評価し続けるかどうかだという。
JPモルガン株が今後どこまで上昇するかについて、ウォール街の見方は分かれている。ブルームバーグがまとめたデータによると、アナリストの投資判断では「売り」はないものの、18人が「買い」、15人が「ホールド(保有)」相当としている。一方、目標株価平均は375ドルで、今後1年間では時価総額1兆ドルの節目に届かないことを示唆する。米銀で時価総額が2番目に大きいBofAは4500億ドル未満にとどまる。
プーナワラ氏は、JPモルガンが規模の優位性に加え、AIやデジタル資産、ウェルスマネジメント事業へのエクスポージャーを生かし、「より高い利益成長を実現する」可能性が高いとみる。また、ダイモンCEOを「米企業界で最も優れたCEOの一人」と評価した。
JPモルガン株は9日の取引で0.4%上昇。年初来では10%値上がりしている。過去3年間はいずれの年も25%超上昇した。
米経済が比較的健全で、AI関連融資が活況を呈するなど、銀行株の一段高を支える環境が整う中、多くの投資家が米銀株のさらなる上昇を見込んでいる。ジャクソン・スクエア・キャピタルのパートナー、アンドリュー・グレアム氏は先に、JPモルガンは特に経済ショックへの耐性が高いと述べていた。
原題:JPMorgan at $1 Trillion Will Still Be Cheap, Rival Analyst Says(抜粋)
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