(ブルームバーグ):米国はカナダ産の一部の酒類や乳製品、オートバイの輸入を禁止する措置に踏み切った。また、カナダ企業が米政府の契約業者に商品やサービスを販売することを禁じる方針を示した。カナダとの貿易摩擦をエスカレートさせる動きだ。
トランプ米大統領は8日、オートバイ、乳清(ホエイ)、糖蜜、ノンアルコールビール、各種酒類の輸入禁止を含む一連の布告に署名した。
カナダ産の一部乳製品と酒類の輸入禁止は3週間後に発効する。政権高官が記者団に明らかにした。1930年関税法338条に基づく関税の変更は1週間後に発効する。
米農務省によると、米国が輸入する乳製品のうち、カナダ産が数量で最も多く、全体の輸入量の約14%を占める。昨年の輸入量は12万トンを超え、金額は約4億3300万ドル(約670億円)だった。
8日に発表された変更では、すでに発動済みの関税の対象から一部の商品を除外する。対象には一部のトイレットペーパー、シーツ、釣りざお、一部のウイスキーや蒸留酒が含まれる。
一方、政権高官によると、カナダ製自動車への関税を1月1日に50%へ引き上げるとのトランプ氏の警告は引き続き有効だ。
これに先立ち、トランプ氏は8日、SNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「カナダが米国の農家と企業に対し、完全かつ公正で対等な扱いを回復しない限り」、米政府の調達先からカナダ製品を排除すると表明した。
トランプ氏によると、「マルチプル・アワード・スケジュール」と呼ばれる政府調達制度を通じて販売されるカナダの商品・サービスは年間500億ドルを超える。政権高官はその後、ホワイトハウスが米政府調達市場の規模を500億ドルと算定しているものの、カナダ企業が常にその全額を占めているわけではないと説明した。
今回の措置は、関税の応酬にとどまらず広がる米国とカナダの貿易摩擦をさらに激化させる一手となる。両国は貿易摩擦の緩和に向けて協議を続けていたが、8月に土壇場で決裂した。これを受け、トランプ政権は数十億ドル相当のカナダ製品に50%の関税を課した。
トランプ氏はその後、オンタリオ湖を「アメリカ湖」に改称するよう命じ、カナダ国内だけでなく米共和党の一部からも反発を招いた。カナダのボンバルディア製航空機について米国内での販売を禁止すると警告したほか、カナダ・ドルの価値にも疑問を呈した。
一方、カナダのカーニー首相は譲歩を拒んでいる。貿易協議の決裂後、「1ドルには1ドルで」報復すると表明。8日にはオートバイや化粧品、チーズなど数百品目の米国産消費財に対する報復関税が発効した。カーニー政権は多くの米国製鉄鋼製品への関税も従来の25%から50%に引き上げた。
政府調達に関する今回の措置が実施されれば、カナダ企業が米政府と取引することを広範に禁じる措置となり、全米の政府調達に混乱をもたらす恐れがある。少なくとも現時点では、防衛関連の契約は対象外とみられる。
カナダ政府当局者はコメントの要請に直ちに応じなかった。
ブルームバーグ・ガバメントがまとめたデータによると、2021会計年度の開始以降、米連邦政府機関がカナダから調達した商品・サービスは130億ドルだった。機密扱いの契約は含まれていない。
原題:Trump Plans to Ban Imports of Some Canadian Dairy, Alcohol(抜粋)
(乳製品などの輸入禁止措置の内容を追加して更新します)
--取材協力:Paul Murphy、Gregory Korte、Derek Decloet.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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