(ブルームバーグ):米ニューヨーク市のマムダニ市長は、2001年9月11日の米同時多発テロの被害に関する17万ページを超える記録を公開した。この中には当時、市当局者らがテロ現場に近いマンハッタン南部は安全だと市民に呼びかける一方、有害物質への曝露による健康被害を巡る法的責任を懸念していたことも記されている。
米疾病対策センター(CDC)によると、世界貿易センターのツインタワーがテロ攻撃で崩落した際、大量の粉じんがダウンタウンの大部分を包み、人口密集地域を灰やがれき、有害な粒子で覆った。がれきの山では火災が数カ月にわたって続き、発がん性物質が放出された。
2001年10月、当時のジュリアーニ市長の下で副市長を務めていたロバート・ハーディング氏向けに用意された文書では、市がその後数十年にわたり、有害物質への曝露による損害賠償訴訟で3万5000人の原告を抱える可能性があると推計。連邦政府に法的保護を求めることも検討していたと記されている。
また、2002年5月に作成された別の文書には、がれき撤去作業について「リスク」という言葉の使用を避けるよう記されていた。「市民の安心感を醸成するという目的に反する」ためだとしている。

CDCによると、消防士や警察官などの緊急救援隊員を含む推計40万人が、事件後の数日から数カ月にわたり、有害物質やその他の危険要因にさらされた。
これらの記録はテロから25年という節目を前に、現地時間8日に公開された。第一弾には、いわゆるハーディング・メモのほか、再三の公開請求にもかかわらず昨年まで見つからなかったと市当局が説明する68箱分の書類が含まれる。
マムダニ氏は「これら文書は、市がテロ現場周辺の有害な大気汚染について、何をいつ把握し、法的責任を抑えるためにどう対応したかを示している」と指摘。発がん性物質として知られるアスベストが「検査したほぼすべての場所」で検出されたことも、記録から明らかになったと語った。
原題:NYC Officials Feared Liability Over Toxic Air After 9/11 Attacks(抜粋)
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