(ブルームバーグ):AI開発者向けの機械学習モデル・データセット共有プラットフォームを運営する米スタートアップ、ハギングフェイスは、AI半導体で圧倒的シェアを占める米エヌビディアに買収されることが決まった。買収の代価を手にする共同創業者3人は、ビリオネア(億万長者)になる。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、フランス人のクレマン・デラング最高経営責任者(CEO、38)とジュリアン・ショモン氏(42)、トマス・ウルフ最高科学責任者(CSO、41)の純資産は、それぞれ約18億ドル(約2800億円)に達する見込みだ。
3人の資産が同指数で評価されるのは、今回が初めて。エヌビディアは3日、ハギングフェイスの企業価値を約130億ドルと評価する買収で合意したと発表した。
2027年上期に完了を予定する今回の買収は、AIの利用・普及と顧客層拡大に向け、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが実行した取り組みとしては過去最大規模となる。
ハギングフェイスは他者も自由に利用可能なAIモデルを共有するプラットフォームを運営している。「優れた機械学習の民主化という使命」を負う「AIライブラリーのような存在」と自らを位置付け、業界のオープン化と分散化を長年支持してきた。
共同創業者3人は、より安価なオープンソースのAIモデルを誰もが利用できるようにするという理念を掲げ、今年に入りサンフランシスコで街頭デモを組織したほどだ。ハギングフェイスも今回の買収でその在り方が問われることになる。
デラングCEOは今年ある会議で、「より多くの人々にAI開発者になる可能性を開くことができれば、実に素晴らしい世界になると思う。シリコンバレーの限られた研究・開発主体に外注する必要がなくなるだろう」と話していた。
一方、OpenAIの高性能な未公開AIモデルが与えられた課題の答えを求めて遮断されたテスト環境から抜け出し、ネットにアクセスした結果、ハギングフェイスの内部システムに侵入したことが今年7月に明らかになり、AIモデルの安全性に対する不安が高まった。
3日公表された合意に基づき、エヌビディアは、ハギングフェイスを引き続きオープンプラットフォームとして運営し、ユーザーが任意のAIモデルやデータセットをアップロードしたりダウンロードしたりできるようにすると約束した。共同創業者らは6年契約で同社にとどまるとウルフ氏はブルームバーグTVとのインタビューで語った。
フアンCEOは「クレム(デラング氏)がハギングフェイスの次の展開を検討する過程で、私のところに来て、エヌビディアが望ましい居場所になると信じてくれたことを光栄に思う」とブログに投稿した。
16年にパリで創業し、今はニューヨークのブルックリンに拠点を置くハギングフェイスの広報担当者に対し、創業者らの資産額に関するコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
原題:Hugging Face Founders Each Worth $1.8 Billion After Nvidia Deal(抜粋)
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