(ブルームバーグ):米連邦最高裁判所は8月31日、トランプ大統領によるホワイトハウスの新たなボールルーム(大宴会場)の建設継続を当面認めた。下級審はトランプ氏が法律に違反している可能性が高いとの判断を下していた。
最高裁判事は5対4でトランプ政権の申し立てを認め、9万平方フィート(8361平方メートル)の施設の地上部分の建設の大半を差し止める見通しだった判断を停止した。最高裁の命令は暫定的なものだが、法廷闘争が決着する前にトランプ氏が建造物の大部分を完成できることがほぼ確実となった。
今回の決定はトランプ氏にとって勝利となった。同氏は中東での戦争、不安定な経済、支持率の急落に直面し、11月の中間選挙で共和党が議会の支配権を失うリスクが高まる中でも、このプロジェクトを推進してきた。
最高裁の多数派は、提訴した歴史的建造物の保全団体には原告適格がない可能性が高いとする政権側の主張に同意した。同団体のメンバーの1人が、プロジェクトが形になっていくのを見ることで損害を受けたと主張していたことが判断の根拠となった。多数派は署名のない決定で、「単に不快に感じたり、意見が異なったり、嫌悪感を抱いたりするだけでは、具体的かつ個別的な損害には該当しない」と記した。
一方、ロバーツ最高裁長官は反対意見で、「建設は違法である可能性が高い」と指摘した。最高裁のリベラル派3判事、ソニア・ソトマイヨール、エレナ・ケーガン、ケタンジ・ブラウン・ジャクソン各氏も同調した。ロバーツ氏は、議会がコロンビア特別区内の連邦政府所有地でいかなる「建物または構造物」を建設することも明確に禁じていると指摘。「しかし議会は、行政府による建設に『明示的な権限』を与えるような法律を一切成立させていない」と記した。
ロバーツ氏は、異議を申し立てた側が主張する「美観上の損害」は、歴史保全団体に提訴する原告適格を認めるのに十分だとの見解を示した。
多数派は、議会の承認を得ていない大宴会場プロジェクトの合法性を巡る争いの本案については判断を下さなかった。司法省は今後、最高裁に本訴訟の審理を求める正式な申し立てを行うことができる。
65%完成
ボールルームは、大統領職に対するトランプ氏のビジョンを反映させるためホワイトハウスの施設群を造り替える取り組みの目玉となってきた。同氏のボールルーム建設構想は少なくとも2011年にさかのぼる。当時、オバマ政権下で無償で建設することを申し出たと述べていた。
政権によると、建設はすでに65%まで進み、2028年8月までに完成する予定。計画に異議を申し立てている歴史保全団体は、トランプ氏が建設を急いで完成させ「既成事実」にしようとしていると非難した。
完成すれば、この施設はホワイトハウス本館とウエストウイング(西棟)を合わせたよりも大きくなり、地下には警備用の防護施設が設けられる。トランプ氏は華麗な装飾を施した建造物のための場所を確保するため、イーストウイング(東棟)を取り壊した。
トランプ氏は最高裁に対し、「古典様式ながら高度な警備を備えたボールルームと、国家安全保障上不可欠な施設を組み込んだ、高度に統合された軍事施設」を建設していると説明した。
原題:Supreme Court Lets Trump Keep Building White House Ballroom (1)(抜粋)
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