高性能なAIがわずか数分でシステムの弱点を見つけ出す。急速に進化するAIによるサイバー攻撃の脅威は金融機関の防御のあり方も変えようとしています。

世界を揺るがす最先端AI。「クロード・ミュトス」などシステムの弱点を見つける能力に長けていて、近年、サイバー攻撃などに悪用されるリスクが高まっています。

実際にサイバー攻撃はどのようなものか。専門家の監修のもと、架空の銀行のシステムでシミュレーションしました。

GMO Flatt Security 米内貴志CTO
「これが攻撃者が実際に活用する画面を模したもの」

業務を停止させるよう命令するだけで、AIが自ら動き始めます。

GMO Flatt Security 米内貴志CTO
「ゴールを与えると、それに向かってひた走ることができる」

細かい指示は必要なく、AIが自分でシステムの弱点を見つけていきます。

GMO Flatt Security 米内貴志CTO
「(銀行)本部側への中継端末があると発見した」

AIは営業所の端末をきっかけに、より重要なネットワークを見つけ出しました。

そして、わずか数分後、本部の端末をロックしました。

最大の脅威は、そのスピードです。

GMO Flatt Security 米内貴志CTO
「本当に短時間、下手したら数分とかで攻撃できてしまう場合もある。守る側からしても気づきにくい」

これまで強固なセキュリティを誇った金融機関も例外ではありません。

金融庁と日銀、そして企業は作業部会をつくり、対策を議論してきました。

作業部会の座長 みずほフィナンシャルグループ 寺井理 常務
「ものすごくスピードが速くなって、我々の考え方を変えなければいけない」

先週、インタビューに応じたのはこの作業部会の座長を務める、みずほフィナンシャルグループの寺井常務です。

これまで金融機関は「システムを絶対に止めない」ことが鉄則でした。

しかし、一瞬で被害が広がるAIの脅威を前に、あえて「システムを自ら止める」選択肢も必要だと指摘します。

作業部会の座長 みずほフィナンシャルグループ 寺井理 常務
「お客様の情報資産・金融資産をしっかり守るためには、一旦止めて、安全な状態をしっかり確保した上でサービスを提供する」

これまでの常識にとらわれない、スピード感と柔軟な対応がいま金融機関に求められています。