発熱で入院 ハンタウイルス感染か

ずさんな管理の被害に遭っているのは来訪者だけではありません。何十人もの元従業員や現従業員が、会社の経営姿勢や劣悪な住環境について告発しています。

ある従業員は、ヨセミテで働き始めて約1ヶ月後に非常に重い病気にかかりました。到着して最初に案内された住まいは、合板の台の上に設置された軍用のようなキャンバス地のテントでした。床には大きな穴が開いており、そこからネズミが入り込んで甚大な被害を引き起こしていました。ベッドや枕カバーにはネズミの糞が散乱し、タンスの中の衣類に巣を作られることもあったといいます。

従業員たちはすぐに住宅部門に通報しました。公園の掲示板では、ネズミが致死率の高いハンタウイルスを保有している可能性があると警告されていたからです。その後、この従業員はひどいインフルエンザのような症状と発熱に見舞われ、病院で様々な検査を受けました。医師から住環境について質問されネズミの存在を明かすと、ハンタウイルスに感染している可能性が高いと結論付けられたのです。

他の国立公園への波及と寡占化する市場

アラマークのずさんな管理はヨセミテに留まりません。ミシガン州のアイル・ロイヤルやオレゴン州のクレーター湖など、他の国立公園でも国立公園局から繰り返し低評価を受けています。

特にクレーター湖では、5000ガロンの下水漏れや来訪者の負傷事故が相次ぎました。状況が動いたのは、オレゴン州選出のロン・ワイデン上院議員が「国立公園局のスタッフが、取り返しのつかない資源への被害を防ぐために懸命に対処しているのは明らかだ」と公に契約の連邦レビューを求めてからです。結果として、わずか数ヶ月でアラマークの契約は別の会社へと移管されました。

なぜ、これほどの苦情が殺到しているにもかかわらず、ヨセミテでの営業が許可され続けているのでしょうか。その背景には、主要な国立公園の運営を「サンテラ」「デラウェア・ノース」「アラマーク」の3社が独占し、互いに競争しているという歪んだ市場構造があります。この寡占状態の結果、食事や宿泊施設の質、設備の維持管理、インフラへの再投資など、国立公園システム全体を通じてサービスの質が「良くて平凡なレベル」に留まってしまっているのです。

次世代へ美しい自然を残すための課題

増大する批判に対し、アラマークもプレッシャーを感じ始めているようです。同社は声明の中で、複数の修理・建設プロジェクトを挙げ、上級幹部の交代と保守スタッフの再雇用を表明しました。しかし、事態は深刻です。国立公園局は最近、168年の歴史を持つ「ワウォナホテル」が12月に無期限で閉鎖されることを発表しました。これは、連邦当局がグローバル事業者への監視を強化したことに伴う措置です。

アラマークの広報担当者であるシーナ・ワインスタイン氏は、「訪問客とスタッフの安全と健康が同社の最優先事項である」と釈明し、歴史的建造物が多いヨセミテ渓谷での従業員住宅の管理の難しさを主張しつつ、「NPS(国立公園局)と協力して生活環境の改善と新しい宿泊施設の建設を進めている」と述べています。

国立公園は、特定の企業のものではなくアメリカ国民の財産です。より高い水準の体験、食事、そして宿泊施設が提供され、適切に管理されることが強く求められています。私たちの子どもたち、そしてその次の世代が最高の状態で国立公園を体験できるように、議会や政府を含めた抜本的な見直しと投資が必要不可欠な時期に差し掛かっていると言えるでしょう。