アイスランドの国民投票で、欧州連合(EU)への加盟交渉再開が否決された。同国の国営放送RUVが伝えた。今回の国民投票は、EUの地政学的な魅力を試すものとみられていた。

RUVが示した暫定集計データによると、EU加盟交渉の再開に対する反対票が52.8%、賛成票が47.2%だった。現地時間29日に実施された投票の公式結果は、30日午後に公表される予定だ。

Photographer: Micah Garen/Getty Images

大西洋に浮かぶアイスランドの人口は40万人弱。国民投票に向けた運動では、主権や漁業、農業の管理権を巡る懸念が焦点となった。一方で支持派はインフレ率と金利が低下する可能性に加え、地政学的、経済的な安定性が高まる見通しを強調した。同国はすでに、欧州経済地域(EEA)協定を通じてEU単一市場へのアクセスが認められている。

近隣のグリーンランド領有にトランプ米大統領が意欲を示し、北大西洋条約機構(NATO)内で外交危機を引き起こした後でも、アイスランド国民は地政学的情勢の変化をそれほど懸念していない可能性を、今回の否決は示唆している。アイスランドはNATO加盟国で唯一、軍隊を持っていない。

EU加盟の利点を疑問視する声がある中、EU当局は加盟手続きの迅速化を目指している。それだけに、今回の「反対」という結果は打撃となる。EUが最後に新規加盟国を迎えてから13年が経過しており、加盟時からEU予算への純拠出国となる国の加盟は、30年以上ない。アイスランドは1人当たりの豊かさという点で、世界でも上位にランクされている。

原題:Iceland Narrowly Rejects Reopening EU Entry Talks in Referendum(抜粋)

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