米航空宇宙局(NASA)が43億ドル(約6900億円)をかけて開発した最新の大型望遠鏡が30日、宇宙へ打ち上げられた。宇宙で最も特異な現象を観測する5-10年間のミッションが始まった。

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、スペースXの大型ロケット、ファルコンヘビーに搭載され、フロリダ州ケープカナベラルから現地時間午前7時26分に打ち上げられた。ローマン宇宙望遠鏡は地球から約100万マイル(約161万キロメートル)離れた軌道を目指す。到着後、早ければ12月にも観測を開始する。

ローマン宇宙望遠鏡はダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー(暗黒エネルギー)を解明するために設計された。ダークマターとダークエネルギーは宇宙全体に広がっていると考えられているものの、いずれも直接観測されておらず、宇宙最大の謎とされている。ローマン宇宙望遠鏡はダークマターとダークエネルギーが遠方の恒星や銀河の形成にどのように影響を及ぼすかを明らかにするとともに、宇宙がどのように膨張しているのかという根本的な疑問の解明につなげることを目指す。

「われわれが理解している物理学には、根本的に何かが欠けていると考えられており、ローマンにはそれを解明する潜在性がある」と、宇宙望遠鏡科学研究所のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡ミッション室長、クリステン・マクイン氏は打ち上げ前に述べた。「この謎めいたダークエネルギーを、まさに宇宙の誕生にまでさかのぼって測定する能力がある」と語った。

ローマン宇宙望遠鏡はまた、太陽系外惑星、つまり太陽以外の恒星を周回する惑星を探すための充実した機能を備えている。科学者らは生命が地球以外でも存在し得るかどうかを突き止めるため、ローマンが地球に似た惑星を発見することを期待している。

ローマンという名称は、米国の天文学者ナンシー・グレース・ローマン氏にちなんでいる。同氏は1990年から地球を周回しているハッブル宇宙望遠鏡の実現に尽力し、しばしば「ハッブルの母」と呼ばれる。ローマン氏はNASA初の主任天文学者であり、同機関初の女性幹部でもあった。

すべてが計画通りに進めば、ローマンが収集した最初の画像は2027年に届く見通しだ。

原題:SpaceX Launches NASA’s Dark Energy-Hunting Space Telescope(抜粋)

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