(ブルームバーグ):米半導体大手エヌビディアは27日、連邦選挙の候補者に献金する政治活動委員会(PAC)を設立した。ワシントンで影響力を拡大する同社の新たな動きとなる。
議会とトランプ政権がAIの規制枠組みを巡りせめぎ合い、中間選挙を前に有権者の間でAIへの懸念が広がる中、同社はワシントンでの影響力を高めている。
AI向け半導体を手掛ける同社は、時価総額5兆ドル(約797兆円)超と世界最大を誇る。
同社のPACは、献金資格を持つ従業員から年間上限5000ドルの任意拠出を募り、民主・共和両党の候補者や党の委員会に献金できる。エヌビディアのPACによる献金は公開対象となるほか、個人献金とは異なり、インフレに連動しない支出上限が適用される。
同社は27日、PACの新設に向けた書類を連邦選挙委員会(FEC)に提出した。コメントを求めたが、直ちに返答はなかった。
新PACへの献金資格を持つ従業員に宛てた電子メールで同社は、今後数年に議会が打ち出す政策はAI業界と米国民の日常生活を形作るものになると説明した。
ブルームバーグ・ガバメントが確認したメールでは、「近年、われわれの業界は政策当局の大きな関心を集めるようになった」とし、「ワシントンで下される判断は、エヌビディアの成功と、当社が米国と世界のために開発している技術を顧客が利用できるかどうかに直接影響する」と述べた。
PACの新設は、AIを巡るロビー活動が急増する中で決まった。エヌビディアがワシントンで影響力を強めていることも、一因となっている。ロビー活動に関する開示資料によると、同社の今年の連邦政府向けロビー支出は250万ドルを超え、前年同期を上回った。同社は2025年1月、「トランプ・バンス大統領就任委員会」に100万ドルを寄付したことも開示している。
アンソロピックやOpenAI、米アルファベット傘下の自動運転技術企業ウェイモも今年、連邦政府向けロビー活動に過去最高額を投じたことが開示資料で分かる。アンソロピックは1-6月(上期)に350万ドル超を支出し、このうち4-6月(第2四半期)だけで約200万ドルに上った。OpenAIは1-6月期に220万ドルを支出した。
さらに、テクノロジー業界以外でも幅広い業界が、AIを巡るロビー活動を届け出ている。
エヌビディアは6月、インテルで政府渉外を率いていたブルース・アンドリュース氏を最高渉外責任者に起用。同氏はオバマ政権で商務副長官を務めた。FECへの提出書類では、新PACの指定代理人として記載されている。
開示資料によると、同社は社内の政府渉外体制を拡充する一方、今年はBGRガバメント・アフェアーズ、ブラウンスタイン・ハイアット・ファーバー・シュレック、ニクルズ・グループ、ボーゲル・グループ、タイバー・クリーク・グループなど、外部のロビー会社も起用した。
原題:Nvidia Starts PAC as AI Chip Maker Builds DC Influence Force (1)(抜粋)
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