米政府は、シンガポールのAPEXロジスティクスが米エヌビディアのAI半導体を中国へ密輸した疑いがあるとして調査している。違法な半導体取引への関与が疑われる運送会社に対する初の措置となる可能性がある。事情に詳しい関係者が明らかにした。

米当局はAPEXが米国の輸出規制に違反して、米スーパー・マイクロ・コンピューター製のAIシステムを輸送した可能性について調べている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

エヌビディアの半導体は、AIモデルのトレーニングや実行における業界標準であり、スーパー・マイクロのような企業はこれらをサーバーに組み込み、データセンターに設置している。

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

米政府は2022年、先端AI半導体が中国政府の軍事活動に利用される恐れがあるとして、この種のハードウエアの中国向け販売を制限した。ただ、規制によって中国企業による入手が完全に阻止されたわけではない。

米政府は訴訟で、規制をきっかけに巧妙な闇取引が生まれ、数十億ドル相当のエヌビディア製半導体が世界2位の経済大国である中国に流入したと主張している。

アジア各国・地域の政府も、この闇市場の調査に乗り出している。APEXが本社を置くシンガポールもその一つだ。他国の輸出規制を回避するため、シンガポールを利用する行為は容認しないとしている。

APEXを巡る調査は、こうした違法な取引を成立させる上で、米政府がサプライチェーンの広範な部分が関与している可能性があるとみていることを浮き彫りにしている。

エヌビディア製半導体は中国に到達するまでに複数の国を経由することが多い。また、米国の規則に違反する貨物については、運送会社も責任を問われる可能性があるとの警告にもなっている。

APEXは発表資料で、同社が2024年に取り扱った少数の貨物について、最終的に禁止対象地域に転送された可能性のある資材や機器が含まれていたとして、米政府が「懸念と関心」を抱いていることを認識していると明らかにした。同資料によると、APEXは米国の調査に全面的に協力しており、関連するすべての規制を「完全に順守することにコミットしている」という。

APEXの親会社、スイスのキューネ・アンド・ナーゲルは子会社が米政府の調査に協力していることを確認する一方、キューネ・アンド・ナーゲル自体は「当局から連絡を受けていない」と付け加えた。

原題:US Probes Apex Logistics Over Alleged Nvidia AI Chip Smuggling(抜粋)

(4段落目以降に会社側のコメントなどを追加して更新します)

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