(ブルームバーグ):がん治療薬開発を手掛ける米レボリューション・メディシンズは、進行性膵臓(すいぞう)がん患者の生存期間を伸ばす画期的な内服薬について、米食品医薬品局(FDA)の承認を獲得した。治療が難しいがんに対する大きな前進となる。
腫瘍の増殖に関わるたんぱく質RASを幅広く標的とする薬の先駆けの一つだ。膵臓がんの大半で、このRASに変異がみられる。今回の承認により、進歩が遅かった膵臓がんの治療法に新たな道が開かれる。
商品名は「Rasonque」とし、26日から提供を始めた。1日1回服用するRasonqueの定価は年間47万5000ドル(約7600万円)を超え、がん治療薬として過去最高水準の価格となる。
膵臓がんは、転移した後に診断されることが多く、患者の余命が数カ月にとどまるケースが少なくない。だが臨床試験では、レボリューション・メディシンズの薬を投与された悪性度の高い膵臓がん患者の生存期間が、標準治療を受けた患者のほぼ2倍となった。5月に発表された後期臨床試験では、化学療法を受けた患者の生存期間が6.7カ月だったのに対し、Rasonqueを投与された患者では13カ月を超えた。
ダナ・ファーバーがん研究所のヘイル・ファミリー膵臓がん研究センターで所長を務めるブライアン・ウォルピン氏は声明で、「転移性膵臓がんと闘う患者とその家族にとって、今回の承認は、長く待ち望まれ、もたらされるべきだった前進だ」と述べた。
Rasonqueは、すでに化学療法を受けた転移性膵臓がん患者、または複数の薬を組み合わせた治療が適さない患者を対象に承認された。FDAは審査を迅速化して承認した。FDAによると、副作用には発疹や口内炎がある。
ウォール街では、この薬への期待が数カ月間にわたって高まっていた。レボリューション・メディシンズの株価は26日のニューヨーク市場で1.9%上昇した。4月以降では2倍超に値上がりし、時価総額は460億ドルを超えた。

膵臓がんは死亡率が高く、5年生存率は13%にとどまる。米国がん協会(ACS)によると、今年は6万7000人超が膵臓がんと診断され、5万2000人超が死亡すると推計されている。
重要なのは、Rasonqueは自宅で服用できるため、治癒が見込めない患者が、がんセンターで点滴治療を受ける代わりに、家族と過ごす時間を増やせる可能性があることだ。
レボリューション・メディシンズは、より早期の膵臓がんへの適応拡大に向けた臨床試験も進めているほか、肺がんでの有効性も検証している。
研究者らは長年にわたり、RASに効く薬の開発に苦戦してきた。レボリューション・メディシンズは、危険なたんぱく質を事実上封じ込める革新的な「分子糊」の手法を考案した。
ブルームバーグが集計したデータによると、ウォール街のアナリストはRasonqueの売上高が2032年に90億ドルを超えると予想している。4月には、米上院議員を務めたベン・サス氏がステージ4の膵臓がんと診断され、Rasonqueを服用していると明らかにしたことで、さらに注目を集めた。
原題:RevMed’s Pancreatic Cancer Pill Priced Above $475,000 a Year (2)(抜粋)
--取材協力:Melos Ambaye.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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