(ブルームバーグ):政府は26日、エネルギーの需要と供給の構造を強化するための包括的な政策を明らかにした。中東情勢の影響でエネルギー調達の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りとなったことを受け、原油調達先や輸入経路の多角化を支援する仕組みを構築する。
高市早苗首相が出席した同日開催のグリーントランスフォーメーション(GX)実行会議で「エネルギー需給構造の強靱化(きょうじんか)総合パッケージ」を公表した。原油調達の面では、ホルムズ海峡を迂回(うかい)するための代替パイプラインの建設や調達多角化に取り組む企業への支援のほか、ナフサの利用分を前提にした国家備蓄の確保などが盛り込まれた。
高市首相は同会議で、「エネルギーを巡る世界の構造的変化を正面から受け止め、国民生活と経済活動を守り抜くためにわが国のエネルギー構造を需給両面から強靱化する取り組みを強化していく」と述べ、年末までにとりまとめる方針を示した。また、赤沢亮正経済産業相に対し、次の国会への法案提出も含め、実行可能な取り組みから速やかに着手するよう指示した。
原油輸入の9割以上を中東に依存する日本は、イラン戦争の影響でホルムズ海峡が事実上封鎖されたことを背景に同地域からの輸入が急減した。国家備蓄の放出や代替調達によって必要量はおおむね確保されたものの、中東依存のリスクが改めて顕在化した格好で、エネルギー安全保障の観点から強靱化が急務となっている。
計画によると、原油調達ではホルムズ海峡の代替ルートとなるパイプラインの建設・増強事業への日本企業の参画を促すため、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の資金供給機能を拡大する。また、ホルムズ海峡などの特定のチョークポイントを通らず原油・ナフサを調達する際の追加輸送コストを支援する仕組みの導入も検討する。
原油を船舶で輸送する際、紛争や事故に対応するために不可欠な海上保険についても備えを強化する。原油の安定供給に必要な「保険キャパシティーを含む安定的な海上輸送を確保する」とした。日本経済新聞の事前の報道によると、国内損保が海外の保険会社と再保険契約を結べない場合に政府が保険金を代わりに用意する仕組みを導入するという。
総合パッケージにはそのほか、原子力発電や再生可能エネルギーの活用についても盛り込まれた。
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