AIによって定型的なITプロジェクトの価格が最大25%下がる可能性があると、インドのIT企業ヘクサウェア・テクノロジーズの最高経営責任者(CEO)が述べた。労働集約的な業務で知られるIT業界にAIが及ぼす影響の大きさを示している。

AIによる効率向上に伴い、ヘクサウェアが現在手掛けている一部業務について、顧客は料金を20-25%引き下げるよう求める可能性がある。同社のスリクリシュナ・ラマカルティケヤンCEO(56)がインタビューで語った。同時に、AIが業務を担う範囲が広がるにつれ、同じ仕事に必要な人員は減るという。

「一部サービスではAIが価格低下をもたらす」と述べ、「同じ仕事に必要な人数は減る」と話した。

ただ、AIによってヘクサウェア自体が縮小するわけではないと同CEOは指摘した。生産性向上により、新たな収益源を開拓できるためだ。インドの2800億ドル(約44兆5300億円)規模のアウトソーシング業界でインフォシスやウィプロなどと競合する同社は、従来手掛けてこなかった業務も獲得できるようになるという。

同社の売上高は既に半分超が「AIを組み込んだ」業務によるものだと説明した。顧客に請求する業務の少なくとも一部にAIを活用していることを意味し、この割合は3年以内に約8割に拡大すると見込む。

同社株は昨年初めの新規株式公開(IPO)以降、20%超下落している。投資家がAIによる事業への影響を見極める中、より規模の大きいインフォシスとウィプロ、タタ・コンサルタンシー・サービシズの株価はいずれも同期間に約40%下落した。

採用・料金体系を見直し

大手IT各社はAIの影響に備え、既に採用を抑えている。インドの労働市場にも影響が及ぶ見通しだ。IT各社は従来、多国籍企業や銀行、政府向けのプロジェクトに従事する新卒者を毎年数十万人規模で採用してきた。今後は、ヘクサウェアも初級エンジニアの採用を減らす一方、AIスキルを持つ人材の採用を進める可能性が高いと同CEOは述べた。

また、顧客企業はAIによってIT部門の人員を減らせるようになるという。ただ、AIを使った業務の内製化でヘクサウェアが契約を失った例はまだないと話した。

AIの活用は、同社に料金体系の見直しも促している。業界の売上高の大半は請求対象となる作業時間に連動しているため、生産性が上がっても収入の大幅な増加にはつながらない可能性があると同CEOは説明した。このため同社は現在、固定価格やプラットフォーム型の契約を増やそうとしている。また、AIモデルの稼働コストに相当するAIトークンが、顧客のテクノロジー予算の新たな項目になると見込んでいる。

さらに、従来型のITサービス以外の支出も同社が取り込めるとみている。ソフトウエアのライセンス費用の削減につながる製品を投入するとともに、AIを前提に設計したAIネーティブ製品の開発も進めている。

「顧客との十分な接点がある業界なら、われわれも参入するつもりだ」と語った。

原題:AI Will Deflate Value of IT Work by Up to 25%, Hexaware CEO Says(抜粋)

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