シタデル・セキュリティーズのフランク・フライト氏は先月、米国債投資家にとって厳しい夏になると警告したばかりだが、今ではリスクのバランスが相場上昇に傾いているとみている。弱気のポジションに投資家が集中していることや、インフレ圧力の緩和を示す指標を理由に挙げた。

マクロ戦略責任者を務めるフライト氏は25日のリポートで、「現在、リスクの非対称性は長期ゾーンの利回り低下に傾いているとみている」とした。

インフレや財政赤字への懸念に加え、AIインフラ投資を賄うテクノロジー企業の相次ぐ債券発行を背景に、米長期国債はここ数週間、下押し圧力を受けてきた。30年債利回りは先週、約20年ぶりの高水準まで急上昇した。これを受け、ベッセント米財務長官は相場下落に歯止めをかけるため、残存期間10-30年の米国債の買い戻しを拡大する方針を表明した。

フライト氏によると、商品投資顧問業者(CTA)などが採用するトレンド追随型戦略についてシタデル・セキュリティーズが行ったシミュレーションでは、弱気ポジションは最近と比べても「かなり極端な水準にある」。このため、米国債がさらに値下がりしても売りが大きく膨らむ可能性は低い一方、相場の上昇が続けば、空売り勢が買い戻しを迫られる可能性があるという。

今回の強気見通しは、フライト氏にとって従来の見方からの転換となる。7月上旬には、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ新議長がインフレ抑制に取り組む決意を債券投資家は過小評価していると警告していた。7月29日の米金融政策決定では、多くのエコノミストが金利据え置きを予想するなか、フライト氏は利上げを見込んでいた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は実際にはこの会合で金利を据え置いた。ただ、ウォーシュ氏の記者会見での発言を受け、インフレ抑制に向けた姿勢への疑念が広がり、長期債の売りを招いた。

フライト氏は現在、こうした信認への懸念は行き過ぎだと主張する。雇用の弱さやインフレ圧力の緩和を示す最近の経済指標は、「よりハト派的な政策対応が妥当だったことを裏付けたようだ」としている。

また、強気見通しのもう一つの理由として、シタデル・セキュリティーズのクロスアセット・モデルも挙げた。成長と金融政策を巡るシグナルが足元と似た2003年以降の64局面を分析すると、その後120日間で利回りが低下したケースは71%に上り、低下幅は平均0.25ポイントだったという。

原題:Citadel Securities’ Flight Reverses Bearish Call on Long Bonds(抜粋)

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