(ブルームバーグ):トランプ米政権がイランに対して打ち出した新たな制裁措置は、中国本土と香港の企業にも対象を広げたが、はるかに重大な影響を伴う中国の大手金融機関への制裁には踏み込まなかった。
米財務省は24日、イランに残された資金調達ルートの遮断を目指すより広範な取り組みの一環として、数十の個人・団体を対象とする制裁措置を発表した。ベッセント財務長官は、これを「エコノミック・アウトキャスト作戦」と呼んでいる。
香港拠点の事業体が対象に含まれたことは、ロシアによるウクライナ侵攻を巡って米国が科した制裁の執行で見られたパターンを踏襲している。対ロシア制裁では、センシティブなテクノロジーを含む物資の移送を支援したとされる香港の貿易仲介業者や海運会社が対象となった。
米国は今年5月、イラン軍を支援していたとして、中国企業や個人に制裁を科した。北京での米中首脳会談を数日後に控えた時期だった。
今回の対イラン措置は、米政府が中国の大手銀行を制裁することで生じかねない、より広範な経済・外交面の影響を回避しつつ、イランと取引するコストを引き上げようとしていることを示唆している。ただ、対象企業は非上場企業で、米国との関係もほとんど知られていないため、この措置がどの程度の効果を上げるかは不透明だ。
アメリカンエンタープライズ研究所(AEI)のシニアフェローで、中国の海外投資動向を追っているデレク・シザーズ氏は、「特定の事業体を対象とする制裁は無意味だ。代替となる事業体を設立するスピードに追い付くほど素早く、個別の事業体に対する制裁を適用することはできない」と述べ、一部の企業はペーパーカンパニーとして設立され、その後も存続できれば活動を拡大する可能性があると指摘した。
同氏によれば、米国が今回指定した数十の事業体は「数万に上る事業体のごく一部に過ぎない」。
今回の措置では、香港を本拠とするスイート・オーシャン・インダストリアルを中心としたテクノロジー調達ネットワークが主要な標的の一つとなった。
米財務省は、イランのマレク・アシュタル工科大学向けのレーザー光学機器など機微なテクノロジーを用いた製品の調達で同社が仲介役を務めたと主張している。同大は、国連の制裁対象となっている防衛関連のイラン研究機関。
中国外務省の林剣報道官は北京で25日開いた定例記者会見で、イランとの経済関係を維持する方針を示し、「中国とイランの協力は常に国際的な枠組みの中で行われており、干渉や妨害を受けるべきではない」と語った。
香港政府は新たな制裁について、コメント要請にすぐに応じなかった。
原題:Dozens of China, HK Entities Hit by Bessent’s Iran Sanctions (1)、China Defends Cooperation With Iran, Warns Against Disrupting It(抜粋)
--取材協力:Colum Murphy.
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