(ブルームバーグ):マイケル・セイラー氏が率いる米ストラテジーは、バランスシート運営の手段として新たな現金プールを追加した。かつては強力だった資金調達モデルが圧力にさらされる中、柔軟性を確保する取り組みの一環だ。
24日の開示資料によると、新設のドル流動性プールは「USDキャッシュ」と呼ばれる。既存の「USDリザーブ」とは別のもので、ビットコインの購入や優先株の配当、債務の返済、自社証券の買い戻し、その他の企業活動上の資金需要に充当できるとした。USDキャッシュの残高は現時点で15億9000万ドル(約2500億円)という。
USDリザーブの残高は現在51億ドルで、ストラテジーの優先株配当と債務の利払いにのみ使用できる。それ以外の用途には取締役会の承認が必要となる。USDリザーブは、ストラテジーが6月に発表した新たな資本管理の枠組みの一環だった。
ナンセンのシニアリサーチアナリスト、ニコライ・ソンダーガード氏は「新たなUSDキャッシュにより、ストラテジーは時間や選択肢を確保できるが、支払い義務がなくなるわけではない」と述べた。
ビットコインの急伸を受け、ストラテジーの株式と債券は先週上昇した。ただ、資金調達を支えていた好循環は損なわれたままで、同社のバリュエーションプレミアムも以前の相場サイクルの水準を大きく下回っている。
ストラテジーは6月に発表した新たな枠組みにより、ビットコインの売却や、額面を下回る価格で取引されている優先株の買い戻しができるようになった。この枠組みは、暗号資産の下落が続き、流動性や株式の希薄化を巡る懸念が高まる中で導入された。
ソンダーガード氏は「ストラテジーの株主にとって、株式の希薄化は柔軟性を得るための代償だ」と指摘。「最近の株式発行でバランスシートは強化されたが、1株当たりのビットコインへのエクスポージャーがすぐに増えたわけではない」と話した。
ストラテジーは前週、約20億ドル相当の普通株を発行。「ストレッチ」と呼ばれる優先株を1億3640万ドル相当買い戻した。
約700億ドル相当のビットコインを保有するストラテジーは、6月22日までの7日間を最後にビットコインを購入していない。8月24日の開示資料によると、23日までの1週間、ビットコインの売り買いをしなかった。
ストラテジー株は24日、2.8%高の122.63ドルで取引を終えた。過去1年間では66%下落している。
原題:Strategy Sets Up Reserve That Can Be Used to Buy Bitcoin (3)(抜粋)
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