米半導体大手ブロードコムが、AIインフラ向けの巨額の資金パッケージで保証を提供する状況を受け、債券トレーダーは同社に関係する信用リスクの評価を厳しくしている。

同社の2031年満期社債(表面利率5.15%)利回りは、8月に入り約14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。社債のデフォルト(債務不履行)に備える保証コスト、5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッド(保険料率)はこの間、28bp高くなった。オラクルやスペースXと比べても上昇率はより大きい。

ブロードコムは、アンソロピックなどの利用を想定し、AI半導体チップの資金調達ディールで600億ドル(約9兆5500億円)強の借り入れを目指し、貸し手グループと協議している。調整が続いているが、ブロードコムは担保付シニアトランシェを一部保証する可能性がある。

米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントとブラックストーンは今年に入り、ブロードコムとアンソロピック向けに総額350億ドルのAIインフラ関連の資金パッケージをアレンジした。多くの部分の支払いをブロードコムが保証する。

借り手の特別目的会社(SPV)は、アルファベット傘下のグーグルとブロードコムが共同開発したカスタム半導体を購入し、アンソロピックにリースする。リース料を裏付けとしてSPVが発行する資産担保証券(ABS)は、私募証券市場の144a市場で取引される。

インパックス・アセットマネジメントの投資適格ポートフォリオマネジャー、トニー・トシチンカ氏は「ブロードコムのCDSスプレッド上昇は、AI投資への全般的な不安というより同社のバランスシートに起因するという印象がある」と指摘した。半導体チップの資金調達ディールでブロードコムが追加的な金融保証を提供する観測に関係している可能性が高いという。

テック企業がクラウドコンピューティング能力の拡充に数十億ドルを投じる中で、今年に入り保証や他の金融支援の利用頻度が増している。ブロードコムやエヌビディアといった半導体チップメーカーは事実上、自社のバランスシートの強みを顧客に提供し、購買力を支えている。

これに伴い、バランスシートに表れないリスクが蓄積され、業界が下降局面に入るような場合、半導体メーカーは自社の利益が圧迫されるタイミングで、多額の支払いを保証するセーフティーネットの約束を果たさざるを得なくなる恐れがある。

原題:Broadcom Credit Risk Soars on Mega AI Debt Financing Backstops(抜粋)

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