(ブルームバーグ):欧州の大手エネルギー企業の最高経営責任者(CEO)らによると、世界の石油市場では原油と石油製品で相場の方向性が大きく分かれている。原油相場の先行きには弱気な見方が広がる一方、石油製品の価格には上昇圧力がかかっている。
トタルエナジーズのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)によると、現在、原油を積んだ船舶はホルムズ海峡を「非常に静かに」通航できている。一方、輸送コストの上昇を背景に、石油精製品を積んだ船舶は同海峡を通航していないという。また、ウクライナによるドローン攻撃で、ロシアからの燃料供給が大幅に減少しているとも指摘した。
プヤンヌ氏は24日、「原油市場が弱気である一方、石油製品市場は非常に強気という極めて異例の状況だ」と述べた。ノルウェーで開かれた世界最大級のエネルギー総合見本市・国際会議ONSで発言した。「欧州の消費者はこの影響を受ける」とした上で、米国では「トランプ大統領が望むようにガソリン価格が4ドルを下回ることはない」と指摘した。
シェルのワエル・サワンCEOは、石油製品市場がロシアの製油所への攻撃、ペルシャ湾と紅海での海上輸送を巡る危険という「3つの脅威」にさらされていると述べた。同社は自社の設備から可能な限り多くの石油精製品を供給することに取り組んでいるという。
サワン氏は「今後数カ月は厳しい状況が続く。顧客への影響を和らげるため、できる限りの対応を続けることが重要だ」と述べた。
両氏の発言は、中東での紛争が石油製品など特定の市場に影響を及ぼし、それが経済全体に波及することへの懸念が強まっていることを示している。
プヤンヌ氏によると、200万バレルを積載できる超大型原油タンカー(VLCC)がホルムズ海峡を通航するには、約2000万ドル(約31億8300万円)の費用がかかる。石油精製品を運ぶ小型船では追加コストが高すぎるため、「ホルムズ海峡から出ていく石油製品タンカーは1隻もない」と述べた。
またプヤンヌ氏は、ウクライナによるロシアの製油所へのドローン攻撃で、同国の燃料供給は日量300万-350万バレル減少したと述べた。
原題:Oil CEOs See Market Split With Bearish Crude, Bullish Fuels (1)(抜粋)
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