日本の超党派国会議員団は24日、4日間の日程で中国を訪問する。同国政府の反発を招いた昨年の高市早苗首相の台湾を巡る発言で日中関係の緊張が続く中、政治対話の再開へ手探りの一歩となる。

訪中計画を知る関係者によると、議員団は中国共産党中央対外連絡部の幹部との面会や経済界との交流を行う予定。

高市首相が昨年11月、台湾有事の際に自衛隊を派遣する可能性を示唆する発言をして以来、最大の貿易相手国である中国との関係は悪化している。高市氏の発言に対し中国は、日本が地域に軍事的脅威をもたらしていると非難し、自国民に日本への渡航を控えるよう呼びかけた。

中国政府はこのほか、民生・軍事の双方に利用可能なデュアルユース品目の輸出規制を強化した。

今回の訪中については、日本テレビなど報道各社が既に報じている。議員団には、自民党の橋本岳衆院議員や中道改革連合の伊佐進一衆院議員が含まれる。橋本氏は6月にもサプライチェーン関連のイベントに出席するため北京を訪れている。

伊佐氏はX(旧ツイッター)への投稿で、日中関係は「1972年以来の最悪の状態」にあるとし、政府間だけでなく、経済、文化、青少年の交流も「すべてがストップ」していると記した。

伊佐氏は、この状況が続くことは、日中双方にとって「決して国益に資するものではありません」と投稿。「両国の対話の窓口は必要ではないかと、同僚議員と議論する中で、訪中して意見交換を進めることを中国に提案することになりました」と説明した。

調査会社ユーラシア・グループの中国・北東アジア担当シニアアナリスト、ジェレミー・チャン氏は、「今回の議員団の訪問で日中関係が大きく改善するとは思わないが、中国の当局者が緊張緩和への道筋を慎重に探っていることは、間違いなく前向きな兆候だ」との見方を示した。

さらに「中国政府にとって日本への圧力が裏目に出ており、高市氏が少なくともあと1年は首相にとどまる可能性が高いことを暗に認めたとも考えられる」と語った。

日中関係の改善に向けてはもう一つ兆候が見られる。在重慶日本総領事館は12日、緊張が高まる中で約8カ月にわたり空席だったトップに、西海茂洋氏が着任したとホームページ上で公表した。

11月に深圳で開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が、日中関係を立て直す機会になるとの期待もある。習近平国家主席と高市首相による首脳会談が実現すれば、その可能性は高まる。

中国に進出する日本企業でつくる中国日本商会の本間哲朗会長は7月、首脳会談が企業間交流を再開する機会にもなり得ると指摘。「交流再開について確かなことは言えないが、できることから前に進めていきたい」と記者団に語っていた。

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