(ブルームバーグ):24日の日本市場は債券が下落(利回りは上昇)。原油価格の高止まりを背景に米長期金利が上昇した流れを引き継いでいる。円は対ドルで158円台後半で推移。株式は方向感を欠く展開となっている。
中東の紛争は終結が見えず、21日の原油相場は小幅ながら6営業日続伸し、米30年債利回りは一時前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い5.28%に上昇した。金利上昇が加速した場合、ベッセント米財務長官がどのような手段を講じるのか、米連邦準備制度理事会(FRB)が介入に動くのか、市場の関心は当局の対応に集まっている。
長期国債先物9月物は一時前週末比17銭安の126円37銭に下落。新発10年債利回りは同1.5bp高い2.89%に上昇している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「米国とカナダの関税の応酬でインフレ圧力が意識され、米長期金利の上昇要因になれば、日本国債にも重しになる」と語る。この日実施される10年クライメート・トランジション利付国債の入札については「無難に消化され、あまり材料視されないだろう」と言う。
カナダのカーニー首相は22日、9月8日から米国による関税と同額の報復関税を課すと表明。米国との貿易摩擦は一段と悪化する見通しとなった。
為替
外国為替市場で円は対ドルで158円台後半で推移。高市政権の財政拡張への懸念がくすぶる一方、円買い介入への警戒感もあり、もみ合っている。
SBI FXトレードの上田真理人社長は、159円台に入るとドル・円の上値が急に重くなるとし「160円は遠のいた」と語る。「これまでは中東情勢の混迷が深まるとリスクオフでドル高になっていたが、トランプ米大統領やベッセント財務長官の迷走によりドルに対する不安が高まっており、ちょっとした米国売りのようになっている」と言う。
一方で、高市政権の財政政策運営やリフレ的な志向は変わっておらず、積極的な円買い材料も乏しいとしている。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは24日のリポートで、米国はきょう対イラン経済制裁の詳細を公表する可能性があり、「原油価格が一段と上昇する場合、円安圧力に注意が必要」と指摘。国内では来年度予算の概算要求が130兆円を超えるとの報道が出ており、「債券市場の不安定化を避けられるかも注目材料だ」としている。
株式
株式市場では、前週末に米国株が上昇したことを支えに電気機器や機械が買われている。半面、米国とカナダの通商協議決裂を受け、米関税引き下げ観測から期待先行で上昇していた自動車株は軟調に推移。米半導体関連株が前週末に売られたことでアドバンテストやフジクラなども弱く、銀行や保険など金融株も安い。
東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、米金利が上昇したものの、米主要指数が上昇したことは安心感につながると指摘する。
また、今週発表の米個人消費支出(PCE)価格指数が落ち着きを示せば、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演前にも米早期利上げ観測が後退し、株式にプラスに働く可能性があるとみている。
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