日米為替協調介入の「条件」とは?
先に述べたように、アメリカは7月末に為替市場での日米協調介入に踏み切りました。日米協調介入は、2011年の東日本大震災直後以来、15年ぶりのこと。この時は、円高を止めるための「円売り介入」でした。今回のような「円買い介入」は、アジア危機、金融危機に揺れた1998年以来、28年ぶりのことでした。アメリカが協調介入に応じるのは、世界的な危機や災害などの限定される、極めて異例なことなのです。
トランプ大統領は「友人である日本を助けた」と述べましたが、友情だけで協調介入に応じるわけがありません。密約とまではいかなくても、日本に「やるべきこと」は伝えているはずです。
金融引き締めと財政懸念払拭にどう取り組むか
金融市場で、日銀の9月利上げや、場合によっては年内2回の利上げを予想する向きまで出てきていることは、こうした見方の反映です。
財政政策についても、食料品の消費税減税は、その方針を閣議決定までしたので、政治的には前に進むしかないのでしょうが、今後、具体的な制度設計と法案作りを進める中で、財政悪化懸念をいかに最小化できるか、まだまだ波乱含みの展開になりそうです。
財政、金融政策をめぐる調整は、これまでの政府、与党、日銀だけでなく、協調介入に応じてくれたアメリカへの配慮、いわば『ベッセントカード』の役割が一段と大きくなってきそうです。
マクロ経済政策運営まで、アメリカの財務長官に指南されるのだとしたら、なんとも情けない話です。