(ブルームバーグ):今年の全米オープンの賞金総額は1億800万ドル(約172億円)に達し、テニス史上最大の選手報酬となる。
全米テニス協会(USTA)の20日の声明によると、シングルス本戦の優勝者は550万ドルを手にする。1回戦出場者には14万ドルが支払われる。今年の大会の選手報酬総額は前年を20%上回る。
報酬の引き上げを巡っては、4大大会(グランドスラム)とプロ選手の間で数年にわたる攻防が続いている。選手側は、テニス界の収益拡大に賞金の伸びが追いついていないとして、大会収入からより多くの分配を求めてきた。また、福利厚生の充実や、報酬などに関する意思決定への関与拡大も求めている。
こうした選手側の懸念に対応するため、4大大会は今年の全米オープンで「グランドスラム選手諮問委員会」を発足させると発表した。声明によると、同委員会では報酬や運営、意思決定など、4大大会に関する事項について選手の意見を反映させることに重点を置く。
USTAは、現役中のさまざまなライフイベントや引退への移行を支援する新たな選手支援プログラムに、当初200万ドルを投じるとした。この資金は女子選手と男子選手に均等に配分するという。
今年の全米オープンは、チケット価格が高騰し、かつては安価だった会場入場券も100ドル以上で販売されるなど、収益面で過去最も成功した大会の1つとなる様相を呈している。大会ウェブサイトによると、チケットマスターで販売された一部の会場入場券は、発売時には最低65ドルだった。
億万長者の投資家でテニスファンのビル・アックマン氏は19日、Xへの投稿で「大会初日の会場入場券が363ドルというのはばかげている」とコメント。「USTAの使命はテニスの普及だ。363ドルの会場入場券が、どうしてこの使命に合致するのか」と疑問を呈した。
USTAは以前から、全米オープン開幕までの「ファンウィーク」を、ファンが無料で会場に入り、予選や練習を観戦できる機会として積極的に打ち出してきた。それでも、ニューヨーク市クイーンズで開かれる同大会の長年のファンや観客の間では、年間最後の4大大会を価格面で観戦できなくなることへの懸念が出ており、大会がこれまで以上に富裕層を重視しているのではないかとの声も上がっている。
シングルス本戦は30日に開幕する予定だ。
原題:US Open Hits $108 Million Purse Record as Ticket Prices Soar(抜粋)
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