景気回復の陰で深まる「K字型」の二極化
韓国経済は、半導体産業の好調と輸出の回復を背景に、2026年第1四半期の実質経済成長率が1.8%となるなど、緩やかな成長を維持している。一方で、輸出を牽引する大企業と、一般家計や中小企業を中心とする実体経済との間には大きな格差、いわゆる「K字型の二極化」がみられる。さらに、内需も低迷していることから、国民が実感する景気は依然として厳しい状況にある。
もっとも、最近発表された主要なマクロ経済指標だけを見ると、韓国経済では景気回復の動きが鮮明になっており、対外健全性や金融市場も比較的良好な状態を維持している。
韓国銀行は2026年5月の経済見通しにおいて、韓国の2026年の経済成長率見通しを2.6%へ上方修正した。2025年の物価上昇率は2.1%、失業率は2.8%で、表面的には経済と雇用が安定しているようにみえる。また、2025年の貿易収支は774億ドルの黒字となり、2017年以来の高水準を記録した。経常収支も1,230億ドルの黒字となり、関連統計の作成開始以来、過去最大を記録した。
株式市場についても、2026年6月19日にKOSPIが終値で9,115(日中最高値は9,385)を記録した後、上昇と下落を繰り返し、2026年8月10日には終値ベースで6,230前後まで下落している。しかし、1年前の3,000前後と比較すると、依然として約2倍の水準を維持している。
しかし、実際に国民が感じている経済状況は、こうしたマクロ指標から受ける印象とはかなり異なっている。その背景には、現在の景気回復が経済全体に均等に広がっているのではなく、半導体、一部の大企業、そして輸出部門に過度に集中していることがある。つまり、韓国経済は表面的には比較的良好に見えるものの、その内側には、労働市場の二重構造、限界企業の増加、家計債務、新たな成長産業の不足、格差の拡大など、さまざまな構造的問題が残されている。
