(ブルームバーグ):バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、エヌビディアの株価が本来の価値に比べ、最大50%割安な水準で取引されている可能性があるとの見方を示した。投資家が同社を巡るリスクを過大評価しているためだという。
BofAのアナリスト、ビベク・アーリヤ氏によると、エヌビディアのフリーキャッシュフローを基に各事業などの価値を積み上げる「サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)」分析では、資金調達に伴うリスクを考慮しても、同社株が34-50%のディスカウントで取引されていることが示された。
アーリヤ氏は、この割安幅について「リスクを過大に織り込んでいる可能性があり、魅力的な投資機会を生み出している」と述べた。
エヌビディア株は18日、AI関連株全般の下落に伴い、一時2.5%安の219ドルをつけた。年初来では約18%上昇しているものの、5月に付けた高値をなお約7%下回っている。
エヌビディアはAIに関係する分野全体に投資を広げている。同社は最近、OpenAIが賃借する予定のオハイオ州のデータセンター拠点を支援するため、最大1050億ドル(約16兆7600億円)を拠出することで合意したほか、スペースXとインテルの双方に多額の出資をしていることも明らかにした。
BofAの推計では、エヌビディアはAI関連の提携先への資金支援として、約3000億ドルを拠出する方針を示している。内訳は株式投資が約700億ドル、残存価値保証やその他の資金面での保証が約2300億ドルだ。
アーリヤ氏は、エヌビディアがAIのもたらす変革に賭け、半導体の供給、土地、電力などあらゆる投入資源を確保しようとしているとして、「戦略的な狙いは明確だ」と語る。また、こうした動きは、競合する独自半導体を開発する上場ハイパースケーラーへの依存を減らし、事業を多様化することにつながるとも指摘した。
エヌビディアのこの戦略には、リスクと見返りの両方があるという。
アーリヤ氏は「現在の環境では、この戦略には十分なメリットがある。画像処理半導体(GPU)のレンタル料は堅調で、コンピューティング能力は不足しており、エヌビディアのフリーキャッシュフロー創出力は業界トップだ」としたうえで、「AI需要が鈍化すれば、エヌビディアの成長率とバランスシートの双方に圧力がかかる可能性がある」とも警告した。
アーリヤ氏は、利益の質の低下を巡る懸念を和らげ、株式市場での評価を引き上げるための「最も強力な対策」は、フリーキャッシュフローのより多くを自社株買いに充て、株主への現金還元を拡大することだと強調した。
BofAはエヌビディア株の投資判断を「買い」、目標株価を350ドルとしている。
原題:BofA Sees Nvidia Trading at Up to 50% Discount on AI Risks(抜粋)
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