(ブルームバーグ):米資産家ピーター・ティール氏が率いるヘッジファンド、ティール・マクロが南米アルゼンチン最大の石油輸出企業ビスタ・エナジーの相当規模の株式を取得した。ティール氏は最近、首都ブエノスアイレスで豪邸を購入し、同国との関係をさらに深めている。
ティール・マクロは、4-6月(第2四半期)末時点でビスタ株を約120万株保有し、当時の評価額は約7600万ドル(約121億円)だったと報告。米当局に14日提出した届け出によると、6月30日時点で同ファンドが保有するビスタ株の評価額はアマゾン・ドット・コムに次いで2番目に大きく、保有銘柄のうち唯一の米国外の企業だった。

ティール氏はブエノスアイレスで住宅を購入したほか、今年はアルゼンチンに滞在し、市内のチェスクラブでも目撃されている。こうした動きから、同国でさらに幅広い計画を持っているのではないかとの臆測が広がっている。
4月にはミレイ大統領と会談。ティール氏と同じくミレイ氏もリバタリアン(自由至上主義)で、約20年にわたり規制の厳しかったアルゼンチン経済で自由市場の実験を進めている。ミレイ氏によると、ティール氏は改革が持続する可能性や富裕税について質問した。
ティール氏の広報担当者に15日にコメントを要請したが、回答は得られていない。

ビスタは2017年、アルゼンチンの広大なバカムエルタ・シェール層で初期の開発を国営企業で指揮したミゲル・ガルーシオ氏が設立。現在では同国最大の石油輸出企業に成長している。
ビスタの石油・ガス生産量は石油換算で日量約16万バレルで、このうち70%を輸出している。同社は今年と昨年の同シェール層買収を経て、さらなる増産を計画している。バカムエルタでは生産量が100万バレルを超え、アルゼンチン経済を大きく変革させ始めたことで、懐疑的な見方をようやく覆しつつある。
ミレイ政権下では、国際資本市場が掘削業者やパイプライン会社に対して再び門戸を開き、インフラ整備が加速している。ビスタが出資するVMOSシェール石油パイプラインと港湾もその一つだ。来年には完成する予定で、アルゼンチンは世界の買い手にこれまでより大幅に多くの原油を輸出できるようになる。
米国の投資家もこうした動きに注目している。シェブロンはパタゴニアのシェール層開発地域で事業を拡大し、独立系石油開発で財を成した富豪ハロルド・ハム氏も参入している。
原題:Peter Thiel Reports Stake in Argentine Shale Oil Exporter Vista(抜粋)
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