米証券取引委員会(SEC)は、州や地方自治体の公職者への政治献金をめぐり、投資顧問会社が公的年金基金の資金を運用することを制限する規則の緩和を提案している。

現行規則では、特定の従業員が公職者に対し、選挙1回につき150-350ドル(約2万4000-5万6000円)の政治献金をした場合、その従業員が所属する投資顧問会社は州や地方自治体の基金に対し、2年間にわたって投資サービスを提供できなくなる。

行政管理予算局(OMB)のウェブサイトへの投稿によると、SECは12日、いわゆる「pay to play」規則の改正案を審査のためホワイトハウスに送付した。SECは改正について、「確認されたコンプライアンス上の負担」への対応が目的だと説明した。

今回の提案が現行規則の制限を見直すものになるのか、規則そのものを撤廃するのかは明らかになっていない。

見直しが実現するとしても、早くて来年になる可能性が高い。一方、今回の提案は、トランプ政権がビジネスと政治の境界をあいまいにしてきたなかで打ち出された。民主党は、ウォール街の金融機関を利するものだと批判する可能性が高い。

SECのアトキンス委員長はこれまで、規則に違反していることを知らない人まで処罰するものだと批判してきた。2年間の取引禁止措置は、従業員が投資顧問会社に入社する前に行った政治献金にも適用される場合がある。

SECの報道官は電子メールで、「現行の『pay to play』規則は不必要なコンプライアンス上の負担を生み、投資顧問会社に過度な制約をかけている」とコメントした。「SECは政治的立場を問わず長年寄せられてきた不満を踏まえ、こうした問題への対応と規則の見直しに向けた案を検討する」としている。

この規則は連邦政府の公職者への献金には適用されない。ただ、州や地方自治体の公職者が連邦レベルの選挙に出馬している場合、その公職者への献金は対象となる。また、現職の連邦政府の公職者が州・地方自治体の選挙に出馬する場合、その選挙運動への献金も対象となる。

この規則は、公的年金基金をめぐって相次いだpay to play関連の不祥事を受けて導入された。一部の年金基金の受託者が、地方自治体の資金運用をめぐるキックバックに関与した疑いで、SECの調査や訴追を受けた。

改正案は、ホワイトハウスの審査が終わると、SECが採決し、その後公表する。一般から意見を募ったうえでそれを最終規則に反映。最終規則は採決を経て発効する。一連の手続きには通常1年半-2年かかる。

原題:SEC Prepares to Ease Rule on Wall Street Political Donations(抜粋)

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