(ブルームバーグ):金は11日上昇し、一時6月初旬以来2カ月ぶりに1オンス=4400ドルを上回った。米国の消費者物価指数(CPI)発表を前に、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ姿勢を探る新たな手掛かりを得ようとしている。
金現物は100日移動平均線を上抜けたことで、テクニカル要因の買いが入った。ここ数週間で押し目買いが見られるようになったことや、中国の金連動型上場投資信託(ETF)への資金流入が増加したことに続き、金相場の回復を示す動きだ。11日はその後、下落に転じている。

市場は現在、12日に発表される米国のインフレ統計に注目している。エコノミストを対象としたブルームバーグ調査の予想中央値によると、注目度の高いCPIは、6月は0.4%低下したが、7月は0.1%上昇が予想されている。7日発表の雇用統計が低調だったことに続き、物価上昇率の鈍化が示されれば、FRB内のインフレ懸念は幾分和らぐ可能性がある。
ただ、エネルギー価格の上昇によってインフレ圧力が一段と強まれば、FRBの利上げの可能性は高まる。金は利息を生まないため、利上げは金相場にはマイナスだ。
トランプ大統領は10日、イランに対して新たに広範な要求を突き付けた。この強硬姿勢により、米国とイランがホルムズ海峡の再開と戦争終結に向けて合意する可能性は低下している。
サクソバンクの商品戦略責任者、オーレ・ハンセン氏は、金相場が最近の上昇を続けるには、1オンス=4360-4370ドルの水準を維持する必要があるとし、「そうでなければ、原油、利回り、ドルが逆風となる中、ある程度の持ち合いが予想される」と述べた。また、「より長期的な視点を持つトレーダーは、市場に参入する前に、200日移動平均線を再び上抜けるのを確認したいと考えている」と指摘した。
金はここ数週間、重要な下値支持線である1オンス=4000ドルを上回って上昇しており、中央銀行による金購入増加を背景に、投資家の金への投資意欲も再び強まっている。こうした上昇にもかかわらず、金価格は2月下旬のイラン戦争前の水準をなお約17%下回っている。貴金属相場への圧力が強まる中、原油価格は上昇し、ドル指数も小幅高となっている。
ロンドン時間午前9時10分時点で、金現物は0.6%安の1オンス=4363.25ドルで取引されている。銀は1.6%安の1オンス=64.71ドルとなっている。プラチナとパラジウムも下落した。
原題:Gold Pulls Back From Two-Month High as Focus Shifts to Inflation(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.