(ブルームバーグ):ボーイングは10日、空飛ぶタクシーやドローン向け技術の開発を専門とする複数の事業を、電動垂直離着陸機(eVTOL)メーカーのアーチャー・アビエーションに売却すると発表した。
発表によると、アーチャーは、ボーイング傘下で無人航空機の設計・製造や航空交通管理システムを手掛けるウィスク、スカイグリッド、インシツを取得する。ボーイングは、中核事業の民間航空機と防衛に注力する。
取引の一環として、ボーイングはアーチャー株を約20%取得し、技術共有契約も締結する。この契約により、ボーイングは現在・次世代の民間航空機と防衛航空機向けに、ウィスクの中核的な自律飛行技術を引き続き利用できるという。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、ジョージ・ファーガソン氏は10日のリポートで、今回の買収について「アーチャーの自律飛行とAIへの取り組みを加速させ、株主構成を大きく変えることになる」と述べた。また、L3ハリス・テクノロジーズと提携する競合のジョビー・アビエーションに対し、アーチャーが優位に立つ可能性もあるとした。
アーチャー株は10日、一時23%高と、2025年5月以来最大の上昇率となった。ボーイング株はほぼ横ばいだった。
ボーイングは、相次ぐ失策や品質問題を受けて前経営陣が退任に追い込まれた後、経営の立て直しに注力している。競合するエアバスも昨年、「空飛ぶタクシー」の開発計画を一時停止した。
カリフォルニア州を拠点とするアーチャーは、eVTOLを開発する数少ない企業の一つだ。業界ではコロナ禍後に多数の企業が上場したが、数十億ドルの研究開発費がかかる中で、多くが姿を消した。
トランプ政権は2025年、米国のドローン(無人機)能力の強化に向けた大統領令で、eVTOLの試験を優先課題とした。今年に入り、米連邦航空局(FAA)は「eVTOL統合パイロットプログラム」を開始し、8カ所で次世代航空モビリティーの試験運用を行っている。アーチャーの機体「ミッドナイト」がFAAの認証を取得するのは、早くても来年になる見通しだ。
原題:Boeing Sells Flying-Taxi and Drone Tech Units to Archer (2)(抜粋)
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