(ブルームバーグ):10日のニューヨーク外国為替市場で円が対ドルで159円台に下落し、日米協調介入による上昇分の半分が消えた。介入を受けた円買いは続かず、再び売りが勢いを増している。
円は一時、1%余り下げて1ドル=159円36銭を付けた。
ステート・ストリートのストラテジスト、リー・フェリッジ氏は「新たな介入が入らない限り、円はじりじりと下げ続けるだろう」と指摘。「追加介入がないことに市場は失望しているようだ」と述べた。

日本の通貨当局は7月30日のニューヨーク市場で円買い介入を実施。米通貨当局は日本時間31日午前2時半ごろ、市場参加者に相場水準を確認する「レートチェック」を行った。翌31日には米財務省がユーロ売り・円買い介入を実施したと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報道。日本の当局はニューヨーク時間でも円買い・ドル売り介入に踏み切り、円安是正に向けた強い姿勢を示した。
片山さつき財務相とベッセント米財務長官は8月3日、日米が7月31日に協調介入を実施したとの談話を発表。三村淳財務官が協調介入は「日米通貨同盟の完成形」と表現するなど、日米の緊密な連携姿勢を示した。
追加介入への警戒が続く中、日本銀行が4日公表した「当座預金増減要因」では、円が急伸した3日に大規模な介入が実施された形跡は見られなかった。円は一連の介入で155円台前半まで上昇した後、再び売り圧力に押されている。

円が弱い背景には、高市早苗政権の財政拡張や日銀がインフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念がある。高市政権は5日の臨時閣議で、食料品にかかる消費税率を来年4月から2年間、8%から1%に引き下げることを決定。今後秋の臨時国会に関連法案を提出し、早期成立を目指すが、市場の信認と直結する財源確保策が課題となる。
政府は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分見直しや、少額投資非課税制度(NISA)の対象に日本国債を追加するなど、国内資産への投資を促す姿勢を打ち出しているが、円高効果は限られている。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはリポートで、「日本はお盆休みの期間に入り、市場参加者が限定されそうだ。国内の主要経済イベントも比較的少ない」と指摘。
「投資家は当局者の発言や、日米の介入姿勢に注意を払い続けることになるだろう」と述べた。
ゴールドマン・サックス・グループのカマクシャ・トリベディ氏らストラテジストはリポートで、「介入に対する市場の反応が比較的控えめだったのは、円安の背景にある根本的な要因を反映していると考えている」との見解を示した。
その上で、「世界的な環境の変化や予想外の政策転換がない限り、円安圧力は時間の経過とともに再び強まるだろう」と論じた。
パイオニア・インベストメンツのストラテジスト、パレシュ・ウパダヤ氏は「より強力な政策行動が伴わない限り、円が大きく上昇するとは考えにくい」と話す。「9月利上げでも不十分だ」と続けた。
原題:Yen Weakens 1%, Erases Half of US-Japan Intervention Gains (2)(抜粋)
(相場を更新し、市場関係者のコメントを複数加えます)
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