(ブルームバーグ):米国では願書を出していないのに、合格通知と奨学金の提示を受け取る高校生が数千人いる。この「ダイレクトアドミッション方式が米私立大学の間で急速に広がっている背景には、高校卒業生の減少で学生獲得競争が激化していることがある。
複数校と学生を結ぶ非営利団体「コモンアップ」が始めたこの制度は、2023-24年度に70校だった参加大学が、直近では215校に増加。高等教育コンサルティング会社ヒューロンのロブ・ビールビー氏は「最上位校以外では、ほぼ標準的な手法になりつつある」と話す。
ノースカロライナ州のウィンゲート大学は高校生2万人に対し、合格を通知し、年間2万4000ドル(約380万円)の奨学金を提示した。願書を出す必要はないという。今秋は約500人がこの制度で入学する見込みで、新入生の半数を超える。

ウィンゲート大学の入学担当バイスプレジデントを務めるエバ・ボーコム氏は、入学基準を満たそうとする学生に「なぜ余計なハードルを課すのか」として、出願手続きを省き、大学を知らなかった学生にも進学機会を広げたいと述べた。
カリフォルニア州立大学などの州の高等教育制度も導入を進めており、ダイレクトアドミッションは学生獲得競争の新たな標準になりそうだ。
大学は学生数減少への対応に加え、第1世代大学進学者や低・中所得層など、多様な学生に門戸を広げる目的で制度を導入している。進学相談・入学支援サービスを提供するアプリ「Niche」のルーク・スカーマン最高経営責任者(CEO)は、「今の学生はクリックするだけでウーバーやウーバー・イーツがすぐ来ることに慣れている」と話し、大学出願も同じように手軽にしたいと説明する。
ニューヨーク州ロチェスターに近いナザレス大学は、学生獲得競争が激しいため、アプリを通じてテキサス、フロリダ、カリフォルニア州など学生数の多い地域に募集を広げる。第1世代の大学進学者(家族で初めて大学に進学する学生)に重点を置いて、入学を促す別のアプリも活用している。同大学はこれらのアプリを通じて、年間最大4万人に合格を通知できるほか、年間2万~2万5000ドルの成績優秀者向け奨学金を、出願前の段階で提示できるようになった。
原題:Private Colleges Are Admitting More Students Who Didn’t Apply(抜粋)
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