オーストラリアの住宅市場で価格下落が加速している。金利上昇や税制変更が住宅需要を圧迫し、6月と7月の下落率は2022年12月以来の大きさとなった。

不動産調査会社コタリティが8月3日公表したデータによると、7月の全国住宅価格は前月比0.7%下落した。多くの主要都市や地方部で値下がりし、シドニーでは1.4%下落した。6月の下落率も当初発表より大きい前月比0.7%となった。

金利上昇、政府による投資家向け税優遇の縮小、生活費の高騰、家計の重い債務負担が重なり、住宅価格は下落圧力にさらされている。価格下落で住宅を購入しやすくなる人がいる一方、家賃はなお上昇しており、負担が増している人もいる。

コタリティのリポートによると、住宅市場の下降は7月に「勢いづいた」。シドニーとメルボルンで既に価格が下がり始める中、中規模の州都でも状況が悪化している。コタリティの調査責任者、ジェラード・バーグ氏は「買い手と売り手の希望価格にはなお隔たりがある」と指摘。州都で競売にかけられた住宅のうち、実際に売却される割合は半分に満たないと説明した。

5月の税制変更や年初来3回の利上げを受け、銀行によると、住宅ローン申請件数は減っている。ナショナルオーストラリア銀行(NAB)は先週、4-6月(第2四半期)の住宅ローン申請件数が15%減少したと発表した。それでも、住宅ローン残高は6月も増加した。住宅価格の高騰を背景に借入額が長年膨らみ続け、家計が多額の債務を抱えている実態を示している。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)が先週公表したデータによると、6月の住宅ローン残高は前年同月比7.5%増え、伸び率は過去2カ月と同じだった。持ち家向け融資は6%余り増加し、投資用住宅ローンは10.4%増と、10年余りで最大の伸びを記録した。

住宅建設に必要な費用と期間が増え、供給は長年にわたり需要を下回っている。人手不足や資材費の上昇も、新築住宅の建設を難しくしている。完成した住宅戸数はここ数年、減少または横ばいが続き、供給拡大を掲げる政府の取り組みが効果を上げている兆しは乏しい。

7月30日公表の政府統計によると、6月までの1年間に建設が承認された住宅は約20万5000戸だった。6月単月では1万8000戸余りが承認された。ただ、承認件数は振れが大きく、全てが実際に建設されるとは限らない。

オーストラリア・コモンウェルス銀行のエコノミスト、ルシンダ・ジェロギン氏は「年間24万戸という全国住宅協定の目標にはなお大きく届かないが、約16万5000戸だった24年半ばの低水準からは着実に回復している」と指摘した。その上で「高金利は引き続き建設活動の制約となっている。中東紛争に伴うサプライチェーンの混乱や、業界全体の供給能力の制約も、建設費を押し上げる可能性がある」と述べた。

原題:Australia’s Housing Market Worsens With Falls Getting Steeper(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.