(ブルームバーグ):米オンライン掲示板運営会社のレディットは、7-9月(第3四半期)の売上高が市場予想を上回るとの見通しを示した。ただ、データ利用許諾を巡る新たな契約を発表しなかったことが嫌気され、株価は下落した。
同社が30日発表した4-6月(第2四半期)決算資料によると、7-9月期の売上高見通しは8億6000万-8億7000万ドル(約1380億-1400億円)。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の8億2940万ドルを上回った。4-6月期の売上高も、広告事業を主因に61%増の8億500万ドルとなり、予想を上回った。
広告事業は同社の主な収益源だが、投資家の間では、AIの学習用データを提供する契約の比重が高まるとの期待が強まっている。
レディットには利用者の投稿が大量に蓄積されており、特定の話題や企業について語り合う消費者に接触できる場として、広告主から支持を集めてきた。同社の投稿データは、新たな学習データを求めるAI企業の関心も呼び、OpenAIやアルファベット傘下グーグルと総額で数億ドル規模の利用許諾契約を結んでいる。
ブルームバーグは昨年9月、レディットがグーグルとの新たな契約の可能性を探っていると報じた。ただ、一部アナリストの期待に反し、30日に新たな契約は発表されなかった。
ジェン・ウォン最高執行責任者(COO)はインタビューで、提携先と「積極的に協議している」と述べ、「この件を継続的に検討している」と説明した。
スティーヴ・ハフマン最高経営責任者(CEO)は投資家向けオンライン説明会で、データ利用許諾を巡る商機について、グーグルやOpenAIにとどまらない「拡大する市場」だと指摘。新たな契約の状況についてはコメントを控えた。
レディット株はニューヨーク市場で178.04ドルで通常取引を終えた後、時間外取引で約12%下落した。年初来では約23%下げている。
新たな契約の交渉では、利用許諾料だけでなく、自社サービスへの新規利用者の呼び込みも重視している。例えばチャットボットが同社のデータに基づく回答を示す場合、情報源がレディットだと利用者に明示し、サイトに誘導できるようにしたいと経営陣は考えている。
ウォン氏は「この2、3年で状況は大きく変化した」と指摘。「価値を最大限に引き出す方法を慎重に見極めたい」と語った。
利用者獲得に課題
1日当たりアクティブユーザー数は1億3000万人と、アナリスト予想に沿った数字となった。ハフマンCEOは株主宛て書簡で、利用者基盤の拡大が最優先課題だと説明した。
オンライン説明会では、利用者を増やす余地を巡り、同CEOに質問が相次いだ。アナリストは、これまで同社への利用者流入を支えてきたグーグル検索経由のアクセスが大きく変動する中、米国のコミュニティーを引き続き拡大できるか懸念を示した。
同CEOは「自社で対応できることに注力している」と述べた。
ウォンCOOはインタビューで、検索を巡る環境の変化には「当社からは見えない」部分が多いと説明。レディットに直接アクセスする利用者の割合を高める取り組みに重点を置いていると語った。
一方、海外事業は成長している。海外売上高は全体の2割強に過ぎないものの、前年同期比84%増加した。広告主の裾野を広げる取り組みが成果を上げていることを示す。
同COOは「事業は大幅に多様化している」とし、「安定性と競争力の双方にとって好ましい」と述べた。
レディットに広告を出す企業数は前年比70%増え、中規模の広告主が伸びをけん引したという。同社にとって好材料だ。2024年の売上高の4分の1は、大口広告主10社に依存していた。
広告収入の増加が続く中、直近12カ月のフリーキャッシュフローは初めて10億ドルを超えたと、同COOは説明した。これにより、中核事業への投資や合併・買収(M&A)の検討、技術人材の獲得を続けられると述べた。
原題:Reddit Projects Strong Sales, But No New AI Deals (2)(抜粋)
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