全国の物価の先行指標となる7月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の伸び率は2カ月連続で前月から拡大した。市場に広がる日本銀行の年内利上げ観測を支持する内容だ。総務省が31日に発表した。

コアCPIは前年同月比で1.9%上昇した。市場予想(1.8%上昇)を上回った。日銀が目標とする2%を下回るのは6カ月連続。電気代・都市ガス代を中心にエネルギーが0.7%低下と前月からマイナス幅が縮小し、最大の押し上げ要因となった。生鮮食品を除く食料は前月と同じ3.9%上昇となったが、12カ月ぶりにプラス寄与に転じた。

東京・上野のアメヤ横丁

消費者物価は政府の物価高対策などを受けて日銀の目標の2%を下回る状態が続いているが、中東情勢を受けた原油価格上昇の影響が出始めた。日銀は今後も波及度合いは強まるとみており、物価の上振れリスクを注視している。31日の会合では政策金利を据え置く見通しで、追加利上げの時期やペースに関する発信に注目が集まる。

野村証券の岡崎康平チーフマーケットエコノミストは、今回の東京CPIについて「中東情勢の影響による原油価格の上昇がようやく波及してきた」と指摘。日銀は景気の下振れリスクよりも物価の上振れリスクを警戒しているとし、「個人的にはメインシナリオは10月利上げとみているが、 9月の可能性も無視できない」と述べた。

生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは2.0%上昇と前月から伸びが拡大し、4カ月ぶりに2%台を回復した。市場予想と一致した。総合指数も2.0%上昇と7カ月ぶりに2%台に乗せた。市場予想は1.8%上昇だった。

賃金動向を反映しやすいサービス価格は1.2%上昇となり、前月の1.1%上昇からプラス幅が拡大した。2026年の春闘の平均賃上げ率は、連合の目標である「5%以上」を3年連続達成するなど高水準を確保した。物価上昇などを踏まえ、一定水準の賃上げが持続するかが焦点となる。

ブルームバーグがエコノミスト52人を対象に16-22日に行った調査によると、次の利上げ時期は12月が最多の50%、次いで10月が40%で、90%が年内を見込む。

足元の金利スワップ市場が織り込む日銀による1.25%程度への利上げ確率は9月会合までが約33%、10月会合までが約88% 、12月会合までは100%を超えている。

総務省の説明

  • エネルギーの下落幅縮小は、電気代の燃料費調整単価、都市ガス代の原料費調整単価の上昇が要因
  • 家事用消耗品(5.3%上昇)のプラス寄与は、一部メーカーによる原油由来の素材調達コストの上昇を受けた漂白剤、台所用洗剤、柔軟仕上剤などの値上げを反映
  • 教養娯楽用耐久財(1.8%上昇)もプラス寄与。一部メーカーによるノート型パソコンやタブレット端末の値上げを反映
  • 生鮮食品を除く食料は、外食のすしや弁当などが押し上げ要因
  • 宿泊料(2.0%上昇)は小幅のマイナス寄与。昨年の方が上がり方が大きかった

(エコノミストコメントや総務省の説明などを追加して更新しました)

--取材協力:氏兼敬子.

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