(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ抑制力が一段と疑問視される中、一部の大手債券投資家は、資金をオーストラリアや欧州といった市場に振り向けることを検討しており、米国債の重しとなっている。
シュローダーは、今回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合結果を受けて、米金融当局が政策の引き締めを迫られる可能性があるとの見方を強め、米国債の弱気ポジションを積み増す一方、オーストラリアや英国、ユーロ圏の短期国債を買い進めている。同社は、これらの市場では短期ゾーンの利回りが低下すると見込み、米5年債と10年債にはショートポジションを取っている。
シュローダーのオーストラリア部門債券責任者、ケリー・ウッド氏は、今回のFOMC会合は「米国債の弱気ポジションを維持し、さらに積み増すべきだというわれわれの見方をあらためて裏付けるものだった」と述べた。
同氏はさらに、「米国外には魅力的な投資機会がある。オーストラリアや欧州、英国では、市場の織り込みとは異なり、中銀は政策金利を据え置くだろうと考えているため、これらの市場ではロングポジションを取っている」と語った。

ウォーシュFRB議長は、インフレ率を目標の2%に戻すと繰り返し表明してきた。しかし、インフレ率が3.5%と高止まりする中でもFOMCは政策金利を据え置いた。市場では30年債利回りが2007年以来の高水準に上昇した一方、近い将来の利上げ観測が後退したことを受け、償還期限が短めの国債利回りは低下した。
債券市場の動きは、ウォーシュ議長がインフレ抑制に強硬な姿勢を示しているにもかかわらず、FRBには行動を急ぐ姿勢が見られないとの見方を映しており、インフレが速やかに抑制されないリスクを高めている。
ガマ・アセット・マネジメントのグローバル・マクロ・ポートフォリオ・マネジャー、ラジーブ・デメロ氏は、オーストラリアや韓国、シンガポール、ノルウェーの国債への投資を増やす一方、残存期間の長い米国債の保有を減らす方針だ。
デメロ氏は、「中銀の政策運営が順調に進んでいる国は数多くある。そうした国々は一貫したコミュニケーションを行い、一定の政策判断の枠組みに沿って政策運営しており、われわれはその政策対応を理解している」と述べた。
過去3カ月でみると、米30年債利回りが約27ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇したのに対し、同年限のオーストラリア国債は9bp、同年限の英国債は7bpの上昇にとどまった。
ブラックロックのアジア太平洋地域グローバル債券部門責任者、ナビン・サイガル氏は、FRBが金融環境の調整を市場により多く委ねる姿勢を示していることから、投資家は金利の方向性を狙った大きなポジションに見合うリターンを得られていないと指摘した。その代わりに、利回り収入の積み上げとリターン源の分散に注力し、アジア市場間で広がる投資機会を生かすべきだと述べた。
サイガル氏はリポートで、「中国国債は、分断が進む世界の債券市場において、依然として防御的な投資先として機能し得る」と指摘。一方で、オーストラリアやインド、一部の現地金利市場は、魅力的な利回り収入と分散効果を提供しているとした。
原題:Fed Doubts Push Some Funds to Eye Other Markets Over Treasuries
(抜粋)
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