経営再建に向けて新車の開発期間短縮に取り組む日産自動車は、カルロス・ゴーン元会長(特別背任などの罪で起訴後、公判中に国外逃亡)時代に導入された新車の開発時に担当が異なる3人の責任者が意見を戦わせる方式を廃止することを明らかにした。

日産の発表によると、同社ではゴーン体制の時代から車の収益に責任を持つプログラムディレクター(PD)、商品の魅力に責任を持つ商品企画責任者(CPS)、そしてその2つを両立させる手段に責任を持つ開発責任者(CVE)がそれぞれの立場で協議して落としどころを探る「三権分立」制を取ってきた。

新たな仕組みではPDとCPSは商品の魅力や収益性の観点から新車が備えるべき条件を作成する作業に専念。CVEは開発の現場で提示された条件の実現に努める方式に改める。

ゴーン元会長

日産は昨年公表した経営再建計画で従来約50カ月を要していた新車開発期間について、30カ月から37カ月程度に短縮することを目指しており、三権分立の見直しはその一環だ。

自動車業界では開発スピードが速い比亜迪(BYD)など中国メーカーがシェアを急速に伸ばしている。日産も中国で開発期間短縮で一定の成功を収めており、意思決定の仕組みを簡素化する取り組みを中国以外にも拡大させて収益改善につなげたい考えだ。

日産の第一製品開発本部、山口一之執行職は30日、記者団に対し、従来のやり方について「丁寧な民主的なやり方」だったが、3者が優先する点が異なるため「どうしても合意形成に時間がかかる」と指摘した。

変化の激しい各国規制や政策などの外部環境に対応するため日産以外の日本車メーカーも新車開発期間の短縮に取り組んでいる。世界市場で存在感を増す中国勢は2年程度の開発期間で新車投入をしており、BYDも今週日本で販売を開始した軽の電気自動車「RACCO(ラッコ)」も開発期間は約2年半だったとしている。

山口氏によると、デザイン決定プロセスの簡素化やAI活用などにも取り組んでおり、パイロットプロジェクトである次期「スカイライン」の開発期間は26カ月とすることを目指していることを明らかにした。

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