(ブルームバーグ):財務省が30日に実施した2年利付国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が過去12カ月平均(3.81倍)を下回った。ただ、利回りの高さから一定の需要があり、市場では波乱なく消化されたとの受け止めが多い。
応札倍率は3.63倍と前回(4.82倍)も下回った。最低落札価格は市場予想と同じ100円02銭5厘で、大きいと入札の不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は7厘と前回(5厘)を上回った。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、入札はおおむね無難な結果だったと指摘。高い利回りに加え、熊本地震を受けて日本銀行の追加利上げが後ずれするとの見方も需要を支えた可能性があるとみている。
入札後に先物が下落した背景について田氏は、ディーラーが応札した債券を最終投資家に十分消化できず、売りを出した可能性があるとの認識も示した。長期国債先物9月限は午後の取引で一時57銭安の126円91銭まで下げ幅を広げた。
りそなアセットマネジメント債券運用部の藤原貴志リードファンドマネジャーも、2年債入札の結果は無難との見方だ。債券が先物や10年債中心に売られていることについては「投資家がより防衛的になっており、投資対象年限を短期化している可能性がある」と言う。
日銀は30、31日開催の金融政策決定会合で政策金利を据え置くと予想されているが、中東情勢の混迷を背景とした原油価格の高止まりや為替の円安進行を受け利上げの前倒し観測が強まり、新発2年債利回りは24日に1.52%と1995年以来の高水準を更新していた。スワップ市場が織り込む9月までの利上げ確率は2割強、10月までが7割強、年内は100%となっている。
一方、高市早苗首相は30日の自民党臨時役員会で、2027年4月から2年間、飲食料品にかかる消費税率を現行の8%から1%に引き下げる意向を表明した。
ブルームバーグ・ストラテジストの見方
高市早苗首相は、飲食料品にかかる消費税率を来年4月からの一定期間、1%に引き下げることを表明したことが分かり、日本国債には既に売り圧力がかかっていた。
今回の入札で最大の落札会社はBofA証券だった。裁定取引を目的としたものとみられ、流通市場で国債相場を支える材料にはなりにくい可能性がある。
-MLIVストラテジスト、マーク・クランフィールド、関連記事はMLIV
(5段落以降に市場関係者やブルームバーグのストラテジスト見解を追記し、日銀の利上げ確率の数値を最新に更新)
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